2018年CFB注目選手 vol.18 ウエストヴァージニア大 QB ウィル・グリアー

2018年11月7日
ここ最近のBig 12カンファレンスはオクラホマ大が「絶対王者」として君臨している様相でしたが、そこに待ったをかけようとしているのがウエストヴァージニア大マウンテニアーズ。今回はその爆発的攻撃力の軸となっている「キャノンアーム」を紹介して参ります。


2017年シーズンの活躍を受けて2018年NFLドラフトにエントリーするかと思いきや、ウエストヴァージニア大に残留する事を宣言した四年生QBウィル・グリアー。2018年シーズンも引続き脅威的なパス成績を挙げていますが、まずは全米から注目を浴びる契機となった2017年シーズンのハイライトから御覧下さい。
タイプ的には膂力(りょりょく)で投げまくる剛腕パサーで、ずばりNFLレジェンドのブレット・ファーヴのスタイルそのもの。ピタッと止まった状態から遠くにボールをブン投げるのは勿論、それなりに機動力があるトコロも似ています。2017年シーズン終盤で利き指を明後日の方向に折ってしまうという負傷によりシーズンエンドとなるものの、シーズントータルで3490ヤードに34TD獲得という驚異的な数字を叩き出しました。2018年シーズンに突入してもその勢いは留まる事を知らず、ハイズマン賞候補にもリストアップされる程の評価を受けております。


そんなグリアーがここまで来た道程は決して平坦なものではなく、SECの強豪フロリダ大でCFBのキャリアをスタートさせた頃に遡らなくてはなりません。その時のハイライトを御覧下さい。
一年生時に先発として抜擢されてフロリダ大の将来を背負って立つ存在になるかと思われましたが、運動能力向上薬物の検査で陽性が出てしまったために出場停止処分を受ける事に。そのままフロリダ大を去ってしまうという苦い経験をしましたが、そこから現在の状況まで立ち直ったのは実に「アッパレ」だと思います。ここ最近に関して言うと、CFBで顕著な活躍をしているQBは転校をしているのがデフォルトになりつつあるようです。




2018年前半 ハイライト

対テネシー大戦

開幕戦の相手はSECの刺客…と言いたいトコロですが、グリアーの程良いウォームアップ相手になってしまったテネシー大。ここ最近のDr.FOOTBALLでは「かませ犬」的な扱いが定着しているのが口惜しい限り。筆者の大好きなマスコット犬のスモーキー君をどうか悲しませないで頂きたいものです。



対カンザス州立大戦

最終的な数字には表れていませんが、守備の読み取りの甘さや無茶投げをしてしまうなど「喝ぁーつ!」な部分がちらほら見られる内容でした。このゲームに関しては「恋女房」であるWRデイヴィッド・シルズに結構救われたと言って良いかも知れません。シルズもかなり良い選手なので、後日紹介させて頂きます。



対テキサス工科大戦

シルズ以外のレシーバー陣も捕るは走るはでテキサス工科大を圧倒。そりゃあ、これだけパスラッシュかかってなけりゃあパス通されまんがな…それにしても、この黄色いヘルメットを見て工事現場のそれを思い出してしまうのは筆者だけではないハズです。



対カンザス大戦

近年はBig 12の「白星供給所」みたいな位置づけとなっているカンザス大。昨シーズンはオクラホマ大戦のセレモニーでキャプテン陣がベイカー・メイフィールドとの握手を拒むという余計な事をやっちゃったばかりに、メイフィールドによって徹底的にフルボッコされたくらいしか印象にありませんでした。今シーズンはグリアーの評価アップに「貢献」しています。



対ベイラー大戦

お家騒動のショックから立ち直れていないベイラー大も、グリアー率いるウエストヴァージニア大攻撃を相手には荷が重すぎました。



対テキサス大戦

既にオクラホマ大を破っているテキサス大のホームに乗り込んだ一戦ですが、勝者はカンファレンス優勝決定戦進出に近付く事もあって手に汗握る「撃ち合い」に。鉄板であるレシーバー陣の活躍に加えてRB陣も奮闘、地上戦でグリアーの好投をサポートていました。




素顔のグリアー -「タワシ」髭と華やかな家族たち-

お約束の素顔チェックに参りましょう。

Source: Will Grier Press Conference on YouTube

 

以上は2017年シーズンの記者会見の模様ですが、このもっさいロン毛加減はコメディ俳優のジャック・ブラックを彷彿させてくれます。


続いて今シーズンのグリアーの様子と家族の皆さんに注目してみましょう。

Source: West Virginia QB Will Grier balancing Heisman hopes, famous siblings and new family | ESPN on YouTube


今シーズンに関して言うと髪の方はサッパリしましたが、髭の「タワシ」度が増しているような気がします。弟さん二人は動画配信サイトにてかなりのフォロワーを獲得している有名人との事。父上はフットボールのコーチをされているだけに息子全員にフットボールの道へ進んで欲しかった事と思いますが、驚異的な数字を叩き出している点においてはグリアー家の「血統」なのかも知れません。

そして御覧の通り、グリアー自身も大学生ながら美人の奥さんと可愛らしい娘さんのいる家庭を持っております。特に娘さんがキャッキャしている様子は、グリアーの剛腕よりも相当な「破壊力」を持っていますね。





剛腕「タワシ髭」の先達

筆者よりもかなり先輩の皆さんからすると「タワシ髭」の剛腕パサーと言えば、1970年代から1980年代にかけてサンディエゴ(当時)・チャージャーズで活躍したこちらの御大を思い浮かばれるかと思います。

Source: NFL Films: Dan Fouts-Tough Guys on YouTube

 

ドン・コリエルHCが設計した超ハイパーなパッシング攻撃の中心を担ったダン・ファウツで、NFLで最初に三年連続パス獲得ヤード4000ヤード越えを達成した人物でもあります。剛腕にタワシ髭という共通項があるだけに、NFLドラフトでチャージャーズに指名された日にはファンの皆さんの盛り上がりも尋常ではなくなるでしょう。



来年春のNFLドラフトにて、グリアーが目玉選手のひとりとなるのはまず間違いないでしょう。愛する家族のためにも少しでも高順位で指名されるために、その手土産としてBig 12のタイトルを獲っておきたいトコロ。やはり11月24日のレギュラーシーズン「千秋楽」であるオクラホマ大戦が天王山となりそうなので、いちフットボールファンとしては両校とも1敗キープで激突して欲しいと願うばかりです。

最後にグリアーの「最終兵器」である娘さん同伴のインタビューで締め括りたいと思います。

Source: WVU Football: Will Grier 9/11/18 on YouTube

 

それではまた次回お会いしましょう。




[了]

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