2018年CFB注目選手vol.11 ペンシルヴァニア州立大 QB トレイス・マクソーリー

2018年10月12日
今回の2018年CFB注目選手は、以前にも紹介させて頂いたあの「男前ファンタジスタ」の再登場です。

ついに四年生となったペンステイトことペンシルヴァニア州立大ニタニーライオンズQBトレイス・マクソーリーですが、10万人収容の本拠地ビーヴァー・スタジアムを相変わらず熱狂の渦に巻き込んでいます。まずは昨2017年シーズンのハイライトからどうぞ。
185cmとCFBにおいても決して大きいフレームではないにも関わらずパスラッシャーに臆せず、遠くへ鋭いボールを正確に放る事が出来るパサーです。さらに自らの健脚で局面を打開する能力も有しており、相手陣レッドゾーンでは果敢に走るシーンが頻繁に見られます。



2018年シーズン前半戦のハイライト

2018年シーズン開幕の相手は格下であるものの、ランク校ハンターの異名をとるアパラチアン州立大。ペンステイトは第4Q修了間際までリードを許したもののマクソーリーの神がかった攻撃ドライブで同点に追いつき、延長戦に持ち込んで何とか退ける事が出来ました。
昨2017年シーズンまで主力だったRBセイクオン・バークリーやTEマイク・ゲーシッキにWRデショーン・ハミルトンらのNFL入りで攻撃がパワーダウンするかと思いきや、マクソーリーが新メンバーの力を引き出しているのは実に見事でした。こういった状況下でも力を発揮する所は、オクラホマ大四年生時のベイカー・メイフィールドに通じるものがあるように思います。



同カンファレンス対決となるイリノイ大戦においても、マクソーリーの勢いはとどまる事を知りません。かなりの点差をつけられたイリノイ大で唯一光っていたのは、9:12頃に後ろでチラッと登場するチアリーダーの方の美しさくらいでした。
続いて近年アツい内容が続いているオハイオ州立大との対戦ですが、2018年シーズンも歴史に残るような名勝負となりました。彼の活躍が光るダイジェストを御覧下さい。

マクソーリーの素顔 ーCFB界の氷室京介ー

マクソーリーの素顔を改めてチェックしてみましょう。こちらはオハイオ州立大との大一番の直前インタビューになります。

Source: Trace McSorley Practice Update 9-26-18 on YouTube

 

 

恐らく、2018年シーズンのCFBで最も面構えがイケてる選手であります。ケンカがめっぽう強いけれども、子供やお年寄りには優しくて女子にモテる古き良き地元のヤンキーの兄ちゃんといった感じでしょうか。闘争心をたたえながらも淀みのない瞳の輝きの感じを見ると、若い頃の氷室京介さんを彷彿させてくれます。氷室さんも若い頃は相当ケンカが強かったみたいですからね…

ちなみに氷室さんは身長の割にかなり手が大きい方なので、持ち前の人を惹きつけるカリスマ性も相まってQBをプレイしていたならば結構良いセンいったのではと個人的に思います。



こちらはキャンパス内での壮行イベントの模様です。「Trace, we love you !」の叫び声や「Heisman !」の大合唱が飛び出るくらいの大盛況で、後ろのチアリーダー達も「トレイス、素敵…」という視線を送っているように見えます。

ハイスクール時代 ーそしてペンステイトの救世主にー

続いてハイスクール時代のマクソーリーもチェックしていきましょう。
このような感じでプレイをしていましたが、意外な事に彼をQBとしてリクルートした大学はそれほど多くありませんでした。その理由は、マクソーリーの父上がアップされたこちらの動画でご理解頂けるかと思います。
御覧の通りハイスクール時代のマクソーリーは守備バックとしても高い評価を受けていたため、スタンフォード大などからそちらのポジションで奨学金のオファーがあったようです。確かに、SだけでなくCBのポジションもこなせる汎用性の高さは魅力的に映るでしょうね。これだけタックルをしっかりしていたので、現在もコンタクトに対して全く恐れがないのも頷けます。

しかしマクソーリーは守備バックとしてのオファーを全て断り、自分がプレイしたいQBとして勧誘してくれたペンステイトの門を叩いて今に至るという訳です。彼のエピソードは、大学時代に守備バックへのコンバートの提案を断り八番手のQBからスタートしたブレット・ファーヴや、ハイスクール時代はかなりの名LBであったジム・ケリー等、プロフットボール名誉の殿堂入りを果たした先輩方に近いものを感じます。


NFL入り後の話はさておき、コーチの幼児虐待スキャンダルで傾きかけたペンステイトをマクソーリーが救ったのは疑いのない事実です。東京ドームでの氷室京介さんが如く、2018年シーズンの残りもマクソーリーが満場のビーヴァー・スタジアムを湧かせる事は間違いないでしょう。



[了]

同じカテゴリーの記事一覧

ページのトップへ戻る