第53回スーパーボウル特集 PK/P編

2019年1月30日
ニューイングランド・ペイトリオッツとロサンゼルス・ラムズの激しい鍔迫り合い(つばぜりあい)が予想されるだけに、第53回スーパーボウルで大きくモノを言いそうなのがキッキングゲーム。その要となるPK(プレイスキッカー)とP(パンター)について今回は追って参ります。


ペイトリオッツ PKスティーブン・ゴストコウスキー Pライアン・アレン

ペイトリオッツ攻撃停滞時のフォローあるいはキャッチアップの「締め」を担う、こちらのPKゴストコウスキーからどうぞ。
キャリアでのエクストラポイントの成功率98.9%に表れる驚異的な正確性だけでなく、2017年シーズンにはNFL史上6番目に長い62ヤードのFGを決める「剛脚」も持ち合わせています。そして、ここぞという時にゲームを決める「クラッチ・キッカー」として動画のように幾度とチームを救ってきました。ペイトリオッツ生え抜きの13年目でオールプロに2度選出、メンフィス大出身。




続いてチームの「迫撃砲」Pライアン・アレン.。自陣エンドゾーン付近から蹴りこんだ65ヤードの特大パントをどうぞ。

Source : Ryan Allen 65 Yard Punt vs Lions (HD) on YouTube

 

ラムズ守備がペイトリオッツ陣レッドゾーン付近で攻撃を追い込んだとしても、このようにハーフラインくらいまでプレイ開始位置を戻されてしまうのは覚悟しなければならないでしょうね。学生時代はオールアメリカンに選出、ルイジアナ工科大出身。




ラムズ PKグレッグ・ズーライン Pジョニー・ヘッカー

ラムズの「長距離砲」PKズーラインもかなりの飛ばし屋であります。。対ミネソタ・ヴァイキングス戦での61ヤードFGを御覧下さい。
スーパーボウル進出を決定させたNFC決勝の57ヤードFGも記憶に新しいと思いますが、攻撃がなかなか敵陣レッドゾーンに侵入出来ない状況においてズーラインの存在はかなり大きくなるはずです。キックオフも担当しており、キャリアの平均飛距離が65.5ヤード。ペイトリオッツのKR陣がロングリターンする事は難しいように思われます。ディヴィジョンⅡのミズーリ西部大出身。




続いてPジョニー・ヘッカーの紹介を。距離を挽回する上で欠かせない存在であるのは勿論、彼について特筆したいのはパントフェイクのパスの精度にあります。先日のNFC決勝でもパスを決めたのも記憶に新しいと思いますが、ヘッカーの決めたパスの数々を御覧下さい。

Source : All Johnny Hekker Completions So Far on YouTube

 

ハイスクールで先発QBを務めていただけあって、投げるのはお手のものと言った感じですね。また196cmに109kgの体躯もあって、相手スペシャルチームの選手に臆する事なくプレイ出来るのも特長であります。ドラフト外入団ながら4度のオールプロ選出、オレゴン州立大出身。

ここで一点、上記の動画で度々登場する前ラムズHCジェフ・フィッシャーがこの両選手を抜擢した事をスルーする訳にはいかないでしょう。2017年シーズン末に失意の解任となってしまった「名将」による「遺産」が、今でもチームを救う活躍を披露しています。





今回のスーパーボウルでは、両チームの攻撃が相手陣レッドゾーンへの侵入に手を焼いたり自陣深くにてドライブが「スリー&アウト」で終わってしまう事が度々であると予想されるため、彼等「職人」の活躍が勝負の趨勢にかなり影響すると言えるでしょう。そして両チームともに、多才な彼等を軸にした「仕掛け」を用意しているはず。キッキングゲームを単なる「箸休め」と捉えず、通常のプレイと同様にテンションをキープして観戦したいものですね。



[了]

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