2018年CFB カンファレンス決勝戦 展望

2018年11月30日
早いもので、CFB2018年シーズンはカンファレンス決勝戦の開催週に突入しました。今回は有力五大カンファレンス、いわゆる「パワー5」の組み合わせについて、出場校それぞれのレギュラーシーズン最終週のゲームを覗きながら検証してみたいと思います。

※()内は第14週のCFPランキング順位

Pac-12決勝戦  ワシントン大ハスキーズ(11位)vs ユタ大ユーツ(17位)

「パワー5」でキックオフの時間が最初となるのがPac-12決勝戦。北地区代表として決勝進出を決めたのは前年カンファレンス王者ワシントン大。首位を走っていたワシントン州立大を雪中のアウェイで降したゲームをどうぞ。
南地区代表は久々に登場のユタ大。州内の御近所であるBYUことブリガムヤング大と最終戦で激突しました。

Source : Utah vs BYU | FOX COLLEGE FOOTBALL HIGHLIGHTS on YouTube

 

 

 

ユタ大は、対BYU戦で第3Qまで20点差をつけられてからの大逆転勝ちを収めた勢いに乗りたいトコロ。しかしBYUとワシントン大の攻守を比べるとロッキー山脈とまでは言わなくとも、富士山の麓(ふもと)と頂(いただき)ほどの差があるのは否めません。どちらの勝者もプレイオフ圏内に入るのは相当難しいので、伝統的なPac-12の「夢舞台」であるローズボウル出場を目指して臨む事でしょう。


Dr,FOOTBALL予想勝者:ワシントン大



Big 12決勝戦  オクラホマ大スーナーズ(5位) vs テキサス大ロングホーンズ(14位)

Big 12は10校構成より地区制が不可であるため、1位と2位でカンファレンス決勝を行います。まずは1位通過のオクラホマ大から、決勝進出を賭けたウエストヴァージニア大との熱戦をどうぞ。
こちらは2位通過のテキサス大の最終週の様子になります。勝利すれば2位以内が確定するゲームでしたが、相手が下位のカンザス大という事もあってテキサス大からするとかなりイージーなミッションであったと思います。スタンドの空席っぷりを見ても盛り上がりの度合いが容易に想像出来ますね…
レギュラーシーズンではテキサス大がオクラホマ大を破っていますが、これはリセットして考えて良いと思います。守備は無いものと考えて、両校とも撃ち合い上等で臨むのは必至でしょう。やはり「ビデオゲーム」のニックネームがついてしまったオクラホマ大QBカイラー・マーリーには、さらに上の舞台=プレイオフで戦って欲しいという希望的観測も込めています。


Dr,FOOTBALL予想勝者:オクラホマ大



SEC決勝戦  アラバマ大クリムゾンタイド(1位) vs ジョージア大ブルドッグス(4位)

西地区代表は一昨年ぶりの出場アラバマ大。毎年恒例の最終週に開催されるオーバーン大との「アイアンボウル」は、昨シーズンの決勝進出を阻まれた雪辱を晴らす結果に。しかし、「落とし前」をつけんばかりに黒星を喫した相手を完膚無きまで叩くのはニック・セイバンHCの恐ろしいトコロであります。
東地区代表は昨年のSEC覇者であるジョージア大。最終週は、州内ライバルのジョージア工科大を大差で降しました。
やはり、昨シーズンのCFP決勝の再戦となるため最も注目を集めているカードではないでしょうか。今シーズンのアラバマ大は強さに拍車がかかっているため、結果が予想し易い組み合わせと個人的には見ています。特にQBトゥア・タゴヴァイロアとWRジェリー・ジューディによる「ホットライン」の無双感がハンパありません。ただし現在ランキング1位であるとはいえ、このゲームに敗れるとプレイオフ出場枠から陥落する可能性が非常に高くなります。それゆえ、アラバマ大は決して手を抜く事なく総力を挙げて臨むのは間違いないでしょう。


Dr,FOOTBALL予想勝者:アラバマ大



ACC決勝戦  クレムソン大タイガース(4位) vs ピッツバーグ大パンサーズ(ランク外)

大西洋岸地区代表は近年「予約済み」感のあるクレムソン大。最終週は御近所対決となるサウスカロライナ大とのゲームを難なくクリアしました。
対する湾岸地区からは、シーズン前の大方の予想を覆してピッツバーグ大が出場。有力候補だったマイアミ大がコケてしまった事で浮上した感もあります。最終週で直接対戦しましたが、自力の差か既に地区優勝が決まっていたためか黒星でレギュラーシーズンを終える事になりました。

Source : Pittsburgh vs Miami Football Highlights (2018) on YouTube

 

 

 

「金髪のキャム・ニュートン」こと一年生QBトレヴァー・ローレンスの抜擢は大当たりとなり、今シーズンは手のつけられない強さを見せつけているクレムソン大。ピッツバーグ大も近年はカンファレンス内をかき回す力を見せていますが、「対アラバマ大」を見据えているチームの前ではシンドイように思います。


Dr,FOOTBALL予想勝者:クレムソン大



Big Ten決勝戦  オハイオ州立大バッカイズ(6位) vs ノースウエスタン大ワイルドキャッツ(21位)

東地区代表は、首位だったミシガン大との直接対決を制したオハイオ州立大。「The Game」と称される伝統(因縁)のゲームですが、またしてもミシガン大ジム・ハーボーHCによるカンファレンス制覇の野望は打ち砕かれてしまいました。
西地区代表は久々のBig Tenタイトルを狙うノースウエスタン大。昨シーズンからチームを牽引するQBクレイトン・ソーンソンに加え、今シーズンのニューヒーローであるRBアイザイア・バウザーの活躍により、イリノイ大を最終週で降しています。
キックオフが「パワー5」の中ではACCと並んで最後となるだけに、「メインイベント」的なゲームとなりそうです。爆発的な攻撃力を誇るオハイオ州立大ですが、守備が若干パワーダウンしたせいか今シーズンは危ない内容のゲームが散見されます。最終週の「The Game」に関しても、正直ミシガン大の単調な攻撃に助けられた感は拭えませんでした。対照的にノースウエスタン大はフィールドをストレッチする攻撃が機能しており、現在のオハイオ州立大の守備はかなり苦戦するような感じがします。こちらの決勝戦も、Big Tenらしからぬ守備の存在を無視した壮絶な撃ち合いになるかも知れません。



Dr,FOOTBALL予想勝者:ノースウエスタン大



独立校ノートルダム大(3位)は「高みの見物」

「みんな、まだゲームがあって大変そうですね~ご苦労様!」という感じでカンファレンス決勝戦週をゆったり過ごせるのは、何処のカンファレンスにも属していない独立校のノートルダム大。レギュラーシーズン最終週は、USCこと南カリフォルニア大との伝統の定期戦を制しました。クレムソン大同様に一年生QBイアン・ブックを抜擢した事が功を奏し、ノートルダム大もかなりの得点力アップがはかられています。
他の高ランク校がカンファレンス決勝戦に臨む中でノートルダム大は黒星を喫する事が無いため、現在のプレイオフ出場枠に残るのはほぼ確定といって良いでしょう。

そして上記の勝敗予想と併せてプレイオフ進出校を考えてみると…

1位 アラバマ大
2位 クレムソン大
3位 ノートルダム大
4位 オクラホマ大

…という感じになるでしょうか。

1位と4位そして2位と3位がプレイオフ一回戦を戦う事になりますが、このランキングが実現するならばニック・セイバンHCは数年前にシュガーボウルでオクラホマ大にフルボッコされた「御礼参り」に燃えるのは間違いありません。

出場校がそれぞれの思惑を抱きながらぶつかり合う、アツい週末が間もなく始まります。





[了]

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