2016年ピーチボウル アラバマ大クリムゾンタイド vs ワシントン大ハスキーズ

2017年1月7日
まさにCFB界の双葉山、大横綱フットボールであります。

CFB新年六大ボウルで今年プレイオフの当番となったピーチボウル、アラバマ大クリムゾンタイドとワシントン大ハスキーズの一戦を30分編集版でどうぞ。

2016年ピーチボウル アラバマ大守備 vs ワシントン大攻撃

SEC優勝決定戦でフロリダ大がアラバマ大守備に対しパス攻撃である程度の効果を見せていた事から、ワシントン大も「ワンダーボーイ」QBジェイク・ブローニングを主軸に投げまくるゲームプランで活路を見出だそうとします。

ワシントン大のパスプロテクションはブローニングに投げる時間を与えていましたが、想像以上にアラバマ大DB陣のパスカバーがタイトであったようで、ブローニングが投げるのを躊躇したためサックを被ったり、オーバーリードを放ってパスを失敗させてしまう場面が散見されました。

チェンジアップで用いたランプレーも、DLジョナサン・アレンを中心とするアラバマ大守備フロントにことごとく封殺(ちなみにSEC優勝決定戦でフロリダ大のラン獲得距離は0ヤードという…)。そんな感じなので、ブローイングも自慢の健脚で局面を打開する事が叶いませんでした。これだけフロントのみでラン攻撃を止められると、そりゃあセカンダリーはパスカバーとスクリーンの刺し込みに専念出来ますよね…

2016年ピーチボウル アラバマ大攻撃vs ワシントン大守備

アラバマ大の攻撃陣に話を移すと、OL=攻撃ラインの強さにひたすら目を奪われます。レギュラーシーズン中はLBやDBの刺し込みに定評があったワシントン大守備でしたが、この日はランプレーでスクリメージを突破する事が容易ではなかったようです。

その強い攻撃ラインの恩恵に最も預かったのは二年生RBボー・スカブロー。走って180ヤードと2TDを稼ぎ出し、ボールコントロールの立役者となりました。マーク・イングラム、トレント・リチャードソン、エディ・レイシー、デリック・ヘンリー等の先輩方の例に違わず、どうやらアラバマ大のRBはポストシーズンで覚醒するのが伝統みたいですね。

練習動画から読み解く、アラバマ大の横綱たる由縁

こちらは2015年のアラバマ大夏期練習の模様です。当時一年生のためか、スカブローは黒ジャージィを身につけています。現テネシー・タイタンズのデリック・ヘンリーの姿も見えますね。

両手にボールを持ってアジリティの練習をしているのが興味深く、恐らく選手にボール保持をしっかり意識させるための工夫と思われます。RBに限らず他ポジションの練習でも、このようにスタンスやステップ等の基礎を重要視するのがアラバマ大流。何となくの流れや勢いに乗って「出来た」「出来ない」でプレーを教えていない事を、配信されている数々の練習動画から感じ取れます。ニック・セイバン親方…もといHCが選手のタレントのみに依存せず、さらに地道な稽古をつけさせる所にアラバマ大の横綱たりうる由縁があるのかも知れません。

特に守備に関しては死角なしのアラバマ大。果たしてフィエスタボウルの勝者はこの不敗神話を破る事が出来るのか…1月9日の全米王座決定戦に注目です。



[了]


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