2018年CFBカンファレンス決勝戦レビュー パワー5編

2018年12月12日
今回は12月の第一週に開催されたCFBの「パワー5」カンファレンス決勝戦のダイジェストとレビューをお送りして参ります。また、各校が年末年始に出場するボウルゲームについても触れていますので今後の観戦の参考にして頂けると幸いです。

※()内は対戦時のCFPランキング



Pac-12 決勝戦 ユタ大(17位)vs ワシントン大(11位)

合計得点13点という近年のCFBでは中々の渋チンなゲームとなり、ハイパーな得点力を売りにしていたワシントン大攻撃もこの日はユタ大の堅守に沈黙。CBバイロン・マーフィーによる若干ごっつあん気味の「Pick 6」と最後のプレイでパスインターフェアをスルーされたラッキーが無ければ、この勝負はどうなっていたか分かりません。

勝者のワシントン大は久々のローズボウル進出でオハイオ州立大と対戦。ユタ大の方はホリデイボウルでノースウエスタン大と相まみえます。両校ともボウルゲームではかなり苦戦するのではないでしょうか…



Big 12 決勝戦 テキサス大(14位)vs オクラホマ大(5位)

「撃ち合い」になる事は想定していましたが、最後に勝負を決めたのがオクラホマ大守備が仕掛けたCBブリッツによるセイフティであるとは本当に意外でした。オクラホマ大QBカイラー・マーリーは、このゲームでのパフォーマンスがハイズマン賞選出の決め手になったと言って良いかも知れません。テキサス大の方も、以前紹介させて頂いた「リア充」WRコリン・ジョンソンの八面六臂の活躍と幾度となくオクラホマ大攻撃の得点を防いだ守備がかなり光っていました。

勝者のオクラホマ大はCFPランキング4位に滑り込み、1位アラバマ大とCFP準決勝となるオレンジボウルで激突します。一方のテキサス大はシュガーボウルに招待されてSEC代表ジョージア大と対戦、どちらも見逃せないカードであります。



SEC 決勝戦 アラバマ大(1位)vs ジョージア大(4位)

今回の「パワー5」カンファレンス決勝戦の中で最も印象的であったのがこのゲームでした。攻撃はディアンドレ・スウィフトとイライジャ・ホリフィールドのRBタンデムによるボールコントロールが機能、守備ではアラバマ大QBトゥア・タゴヴァイロアを封じた結果、ジョージア大は第4Qまでリードを奪っていました。追いうちをかけるようにタゴヴァイロアを負傷で欠いてしまったアラバマ大を救ったのは、昨シーズンまでのエースだったジェレン・ハーツ。パスと自らのランで2TDを奪い、アラバマ大連覇の夢を繋ぎました。

先述の通り、CFPランキング1位をキープしたアラバマ大は4位に繰り上がったオクラホマ大の挑戦をオレンジボウルで受けます。アラバマ大ニック・セイバンHCをしてプレイオフ進出に相応しいと評されながら、惜しくも4位から滑落してしまったジョージア大。SEC代表としてシュガーボウルにてテキサス大を迎え撃ちます。



ACC 決勝戦 クレムソン大(2位)vs ピッツバーグ大(ランク外)

降りしきる雨の中で行われたゲームだっただけに、両校のラン獲得ヤードが合計500ヤードになる文字通り「泥濘戦」となりました。明暗を分けたのは守備フロントとQBの差と言っても良いでしょう。守備ライン陣はQBにプレッシャーをかけ続けてピッツバーグ大のパス獲得ヤードを8ヤードに抑え、LB陣も激しい刺し込みで3rdダウンやレッドゾーンでのゲインを阻止していました。QBトレヴァー・ローレンスはいつものようなロングボールを放れない環境下であっても、短いパスを丁寧に繋ぐ事に加えて勝利のための献身を見せてくれています。特に、クレムソン大の最初のTDにおいてハンドオフをした後にダウンフィールドブロックするためにボールキャリアーの近くまで駆け込みに行ったシーンが印象的でした。

この勝利で2位をキープしたクレムソン大はCFP準決勝となるコットンボウルで3位ノートルダム大と激突、一方のピッツバーグ大はサンボウルに招待されスタンフォード大と対戦します。



Big Ten 決勝戦 ノースウエスタン大(21位)vs オハイオ州立大(6位)

筆者の戦前勝敗予想で唯一外してしまったゲームですが、オハイオ州立大QBドゥエイン・ハスキンスがここまでやってしまうとは想像だにしていませんでした。499ヤード投げて5TDなんて、守備がどんな状態であってもそりゃあ勝ちますよ…前半まではノースウエスタン大も食い下がったものの、攻撃の不用意なターンオーバーにより得点の機会を幾度と逸してしまったのが敗因だったように思います。前回お話したRBアイザイア・バウザーが良い走りをしていただけに残念でした。

勝利したオハイオ州立大はCFPランクを上げるもプレイオフ圏内には届かずでしたが、伝統あるローズボウル出場が決定しPac-12覇者のワシントン大と激突。このローズボウルを最後にアーバン・メイヤーHCがコーチ業引退を表明しているだけあって、花道を飾ろうとバッカイズの面々は燃えている事でしょう。先述の通りノースウエスタン大はサンボウルに招待され、ユタ大と対戦します。




激闘揃いだった今年の「パワー5」カンファレンス決勝戦でしたが、次回はその他のFBS所属カンファレンスの決勝戦も覗いて参りたいと思います。それではまたお会いしましょう。




[了]

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