フィエスタボウル2016 ノートルダム vs オハイオ州立大 (2016年1月1日開催)

2016年2月20日
「プロボウルなんてレクリエーションじゃなくて、もっとガチンコのフットボールをくれ!」という皆さん、OSUことオハイオ州立大バッカイズとNDことノートルダム大ファイティングアイリッシュによる2016年元旦のフィエスタボウルをフルゲームでどうぞ。しかし奥田民生さんの『イージュー☆ライダー』ではありませんが、フェニックス大学スタジアムの周りに駐車場以外はホント何もないですね…

OSU(戦前のCFPランキング7位)とND(同じく8位)はそれぞれシーズン中に最高3位と4位につけてプレイオフ圏内に入っていた時もあったので、プレイオフ以外で最も注目を集めたボウルゲームと言って良いかも知れません。

カレッジフットボール界のケヴィン・コスナーことOSUアーバン・メイヤーはFBS現役HCで最多勝率(153勝27敗)、かたや僕の親戚の叔父さんにソックリなNDブライアン・ケリーはFBS現役HC最多勝利数(226勝79敗2分)を誇るという名将対決でもあります。

両校の通算対戦成績を見ると1935年に初顔合わせしてから5回しか対戦していないとの事なので、プレミア感がある組み合わせなのも何だか納得出来ます。今のところOSUが3連勝、二・二六事件が起きた1936年を最後にNDは80年間OSUから勝ち星を挙げていないそうです。

Source:2016 fiesta bowl tosu vs nd on YouTube.com

 

2016年フィエスタボウル見所 オハイオ州立大バッカイズ

RBは何と言っても絶対エースのエズィキル・エリオットで、今すぐプロに入っても通用する走りは相変わらずの感じです。課題(?)だったパスプロテクションやブロックに関しても、このゲームではビビらず思い切り出来ているのがよく分かります。

そのエリオットの走りを援護しているのが、先発QBを務めるJ,T, バレットのリードオプションの巧みさです。こちらの動画でも0:5:40や2:25:00辺りにバレットの「入れ」と「抜き」をスローで解析しているので、ゾーンリードを採用しているチーム関係者の方には是非参考にして頂きたいと思います。昨シーズンにOSUは全米制覇を果たしましたが、負傷でフィールドに立てなかったバレットとしては捲土重来の思いが本当に強かった事と思います。

2016年フィエスタボウル見所 ノートルダム大学ファイティングアイリッシュ

かたやNDの注目選手は、何と言ってもLBジェイロン・スミス。高校と大学の両方でディック・バトカス杯(全米で最も優秀なLBに贈られる賞)を受賞した逸材でありますが、OSUのボサ同様に早々とフィールドを去ってしまった(こちらは負傷)のは口惜しい限りです。それにしても、昔に比べてスラッとした体型のLBが増えてきましたよねー

名WRを輩出するNDの伝統も健在で、エースであるウィル・フラー(かつてヒューストン・オイラーズで活躍したDEとは姻戚関係がないようです…)は見せ場を沢山作っています。アリゾナ・カーディナルズで中核を担っているNDのパイセンであるマイケル・フロイドのように、将来は彼もプロで活躍する事でしょう。

NDといえば、長年アパレルの供給を受けていたアディダス社からアンダーアーマー社に変更した事も話題となりました。以前の藍色ジャージィと黄金色パンツも良かったのですが、新しいジャージィとソックスの群青色は明け方の空、パンツの山吹色は明るくなりつつある地平線、ヘルメットの18金は明け方に見える金星…という感じで「和」の美意識にうったえかけているような感じがします。

そこで一首


朝ぼらけ 明星(あかほし)ばかり 輝きて
アリゾナの空 またのぼりなむ



フィエスタボウル 「What We Learned」 

戦術的な部分でも参考になる事が多かったゲームで、特に本編1:52:27辺りで見られるOSUのインターセプトを生んだ、守備バックの巧妙なローテーションには目を奪われました。スカウティングの段階でデータが無ければどんなQBも気が付かないと思います、この守り方は…


「カレッジフットボールプレイオフ」2年目を終えて今後の展望

CFP二年目を終え新年六大ボウルを振り返ってみると、「プレイオフ出場枠をもっと増やせないか」という声が今後上がってくる事は想像に難くないと思います。NFLのカンファレンスにおけるプレイオフと同様に、6チームのトーナメントが適正でしょうか。今年に関してはOSUとスタンフォード大がもし加わっていれば、ひょっとすると王座決定戦の組み合わせは変わっていたかも知れません。

「だったら2試合増やせば良いじゃん!」なのですが、ここでCFP委員会、各カンファレンス、各ボウルゲーム委員会、テレビ局と様々な団体間の権益調整が障壁となります。ボウルゲーム前の12月中旬にランキング3位と6位、4位と5位が対戦し、それぞれの勝者が1位または2位と正月に対戦するのがスッキリすると思われますが、ボウルゲームの組み合わせがフワフワしてしまうので現状での実現はかなり厳しいでしょう(各カンファレンスはテレビの放映権料が増えるのでやりたいハズですが…)。

来年のCFPはこちらのフィエスタボウルとピーチボウルで開催され、新年六大ボウルによる持ち回りが一巡します。組み合わせは勿論ですが、再来年以降のポストシーズンにおけるスケジュール調整に関しても注目していきたい所です。




[了]

Source:Ohio State Football: Fiesta Bowl Trailer #2 on YouTube.com

 

 

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