フットボール社会科見学 ー 応援歌で読み解くスポーツと音楽の良好な関係

2016年7月2日
久々のフットボール社会科見学となりますが、今回は「応援歌」をテーマにお付き合い頂きたいと思います。

ワシントン・レッドスキンズの応援歌 『Hail to the Redskins』

まずは1980年代から90年前半にかけて「準」最強チームであったワシントン・レッドスキンズの、そしてNFLチーム唯一の応援歌『Hail to the Redskins』をどうぞ。

Source:Hail to the Redskins – Fight Song on YouTube.com

 

 

こちらは何と1938年に出来た曲で、その当時から現在までファンの皆さんに愛唱されているようです。1938年=昭和13年に日本軍が大陸で中国軍と小競り合いを繰り返し、ナチス・ドイツがオーストリアを併合する等、国際情勢に緊張感が高まっていた時分を考えると長い歴史を感じずにはいられません。
これだけ歴史が長い名門にも関わらず、21世紀に入ってからの体たらくにファンは我慢ならなかった事と思います。その状況から救ってくれると期待していたRG3ことロバート・グリフィン三世でしたが、残念ながら今年チームから三行半を突きつけられてしまいました。

こちらはピカピカのルーキーだったRG3が、ファンの集いで『Hail to the Redskins』を歌わされるの図であります。今となっては「やっぱアイツはフルコーラスで歌えなかったからね…」みたいな事を地元のスポーツバーとかで言われているのかも知れません。

ノートルダム大ファイティングアイリッシュの応援歌 『Notre Dame Victory March』

フットボールの応援歌といえば、涙腺崩壊必至のノンフィクション映画『ルディ』により全国…もとい万国区となったノートルダム大ファイティングアイリッシュの『Notre Dame Victory March』を真っ先に浮かべられる方も少なくないと思います。

当時デンヴァー・ブロンコス所属、そしてアイリッシュ出身でもあるOLライアン・ハリスとDBデヴィッド・ブルトンが指揮するハーモニーバージョンをどうぞ。

今年は両名とも別のチーム所属となってしまいましたが、どこのジャージィを身にまとっても彼等の心のど真ん中にはこのメロディが鳴り響いているのではないでしょうか。

カリフォルニア大ゴールデンベアーズの応援歌 『Fight for California』

実際に現地でゲームを観戦した事もあり、僕個人のイチ押しフットボール応援歌はCALことカリフォルニア大ゴールデンベアーズの『Fight for California』であります。

Source:Fight for California 10-9-10 on YouTube.com

 

 

こちらの動画の後半でも登場するスーザフォン隊のスキップ入場は生で観るとさらに圧巻で、立派な装束をした指揮の学生さんがホームセンターで売っているような安っぽい脚立の上でタクトを振っていたのもとても可笑しかった事を鮮明に覚えています。そして、試合後にアーロン・ロジャースと握手出来たにも関わらず、チアリーダーの皆さんと写真を撮る根性を出せなかったのを今でも後悔している次第で…

著名OBであるアーロンやマーショーン・リンチにデショーン・ジャクソンもこの歌をちゃんと歌えるはず…だと信じております。

中日ドラゴンズの応援歌 『燃えよドラゴンズ!』

日本国内で応援歌というとやはりプロ野球のそれを思い浮かべる方が殆どかと思いますが、そこで名古屋市民にとって真のナショナル・アンセムであるこの曲をどうぞ。念を押させて頂くと「燃えろ」ではなく、名古屋弁の命令形「燃えよ」が正しいタイトルなので御注意下さい。

Source:燃えよドラゴンズ!88 on YouTube.com

 

 

僕と年代の近い皆さんは、この1988年バージョンにやはり「じぃーんとしびれる」のではないでしょうか。落合博満選手がロッテオリオンズから移籍してきた時の熱狂ぶりは、レジー・ホワイトがやって来た時のグリーンベイに勝るとも劣らなかった事を今でも記憶しています。また、この時すでに若手として登場している山本昌選手の偉大さも再認識させられました。

僕の母親がゲーリー・レーシッチ選手の奥様と美容院が同じで図々しくも仲良くなったり、同じくはとこ(♀)が幼稚園で落合選手の御子息とバトルした等など…本拠地の面積が狭い故、こういった類の話はそこら辺に転がっていたような気がします。

こんなローカル色がビビッドである曲にも関わらず、意外と全国区で知名度が高いのに驚かされる事があります。ウチのチームの藤原選手(名古屋出身ではない)と野球の話題になると、おもむろにこの曲を合唱し始めるのが最近のMy…ならぬOurブームです。

駒澤大学 校歌

最後は作詞:北原白秋に作曲:山田耕作というハルク・ホーガン&スタン・ハンセンばりの夢のようなタッグによる、校歌偏差値70越えのこちらの名曲をどうぞ。

「我等が校旗は雲と起これり」のフレーズは、"Oh.say does that spangled banner yet wave."に匹敵する位の高揚感を与えてくれます。

やはり「音楽」って競技ファンを引き寄せる重要な要素ですよね。こちらも国内のフットボール業界が繁栄のために向き合うべき課題のように思います。

しかも長い歴史というエッセンスもある故、素人が中途半端に取り入れても陳腐になるだけですし…こういう時こそ、専門家の方のアイデアや感性から大きなヒントを頂けるような気がします。



[了]

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