2018年NFLドラフト ベイカー・メイフィールドは何処(いずこ)へ?

2018年4月24日
やはり2018年NFLドラフトで個人的に最も気になるのが、二年生時にオクラホマ大スーナーズ先発QB(クォーターバック)の座を射止めてからずっと見守り続けたベイカー・メイフィールドの所属先であります。Dr.FOOTBALLでこれでもかと言わんばかりに紹介させて頂いてきましたが、まずはカレッジでのキャリア総決算となる2017年ハイライトをどうぞ。

オクラホマ大スーナーズQB ベイカー・メイフィールド 2017年Highlights

NFLを志すQBにとって十字架となるハイズマン受賞は余計でしたが、学生最後の公式ゲームとなったローズボウルまで実に見事なパフォーマンスを披露してくれました。



ベイカー・メイフィールド NFLドラフトへ向けて

シニアボウル


プロ候補生査定ゲームであるシニアボウルの様子をどうぞ。やっぱりガチンコ度が低いゲームだと、最大の特長である「インテンシティ」が発動されないようです。雨天なのにサングラス仕様のアイシールドをつけて、実にゆるーくプレイしています。

Source:Every Baker Mayfield play @ 2018 Senior Bowl on YouTube.com

 

 

 

NFLスカウティング・コンバイン


NFLスカウティング・コンバインでは、まずまずの内容。単純な能力とサイズに関して言うと、こちらで比較されているワイオミング大のジョシュ・アレンの方に分があるような印象を受けます。

プロ・デイ


慣れ親しんだ自分の大学でのワークアウトを披露するプロ・デイの模様ですが、NFLで多用されるC(センター)から直接ボールを受け取ってから展開するプレイでのアピールが中心となりました。
殆どショットガン隊形でプレイしていたせいか、このエクスチェンジからのドロップバックについてはやはり不慣れ感が否めませんね。あと、ハチマキが中学受験生の「第一志望絶対合格!」みたいに見えるのは職業柄でしょうか…NIKE社もなかなか罪作りな事をします。


こちらは昨年プロフットボール名誉の殿堂入りを果たしたLTことラディニアン・トムリンソンとの的当てゲームになります。「お遊び」においても、これ程のコントロールを発揮出来るとは流石です。

メイフィールドを指名するチームをズバリ断言!

さて、昨年はデショーン・ワトソンがヒューストン・テキサンズに指名されると良いなぁーとボカシ気味に話していましたが、予想が外れる事を恐れず今年はメイフィールドを指名するチームをズバリ断言したいと思います。そのチームとは…



ニューヨーク滞在経験のある方なら「J!E!T!S!JETS!JETS!JETS!」のチャントでお馴染み、目下AFC東地区低迷中(涙)のニューヨーク・ジェッツであります。一巡目で高順位指名権を獲得しているジェッツですが、他の有望株QBであるサム・ダーノルド、ローゼンとアレンの二人のジョシュ、そしてラマー・ジャクソンを差し置いて、メイフィールドが選ばれる…いやジェッツが彼を選ばなければならない理由はハッキリしています。

今のジェッツに必要なのはチームの「顔」となる選手であり、しかもそれがQBでなくてはならないからです。先述の彼等の中において実力はどっこいどっこいのように感じますが、大都市ニューヨークというフランチャイズに相応しい「華」を持っているという点ならばメイフィールドがぶっちぎりトップなのは間違いありません。何と言っても、一番女性にモテそうですし。

そして何故QBでなくてはならないのか。本当の意味でジェッツが生まれ変わるためには、この人がチームに残した思い出を「上書き」する必要があるからです。

Source:Joe Namath: A Football Life – The Guarantee on YouTube.com

 

 

ベイカー・メイフィールド。「ブロードウェイ・ジョー」の後継者たる資格。

そう、ジェッツを第3回スーパーボウル制覇に導いた「ブロードウェイ・ジョー」ことジョー・ネイマス氏の「夢のあと」が、まだまだ色濃くフランチャイズには残っています。ネイマス氏の入団によりジェッツが所属していたAFL(現在のAFC)がNFL(現在のNFC)より女性ファンの獲得で上回ったり、サイドラインで毛皮のコートを羽織ったり、70歳を越えても若い女性キャスターを口説いたり、スーパーボウルのコイントスで審判が合図する前に始めてしまってやり直しさせられたり等々…現役時代と引退後に関係なく話題を欠かさず提供してくれる正真正銘の「スター」、それがネイマス氏なのです。


ネイマス氏が本当に「スター」であるのは話題性だけでなく、学生時代にアラバマ大を全米王座に導き、そして有名な「俺が保証する、ジェッツが勝つ事を」発言の後で本当にスーパーボウルに勝ってしまうという、勝負強さを持ち合わせている事も忘れてはなりません。現役を退いてかなり経っている現在でも、インタビュー中に見える不敵な笑みはプロ雀士の小島武夫さんよろしく勝負師のそれを彷彿させるものがあります。


「ブロードウェイ・ジョー」の思い出を「上書き」するためには普通に良くプレイ出来るたけでは力不足で、少々ヤンチャなトコロがありながら勝負における集中力を発揮出来る選手でなくてはなりません。酔っ払ってお巡りさんにフルタックルをかまされたり、自チームの旗を相手チームのホームフィールド中央に突き立てたり、ゲームにおいて相手チームの選手を挑発したり等々、結構やらかしてしまうにも関わらずフィールド上では尋常ではない「インテンシティ」を発揮してチームを勝利に導く選手…メイフィールドにはネイマス氏の後継者たる「資格」が備わっているとここに断言したいと思います。


ともあれ、二つの大学でフットボール奨学金無しの待遇から先発QBに昇り詰めた「地力」がある以上、メイフィールドは何処のNFLチームに所属してもそれなりに上手くやっていけるのは間違いないでしょう。まあ、オハイオ州所在のオレンジ色のヘルメット&茶色のジャージィのチームに指名されなければ良いかな…というのは昨年のデショーンの時と変わらずに感じていますが。



ずっと追っかけていたカレッジQBのステップアップは喜ばしいと同時に一抹の淋しさも感じるものですが、いつでも「青田買い」マインドを忘れないDr.FOOTBALLは早くも次の「スター」候補に狙いを定めてリサーチ進行中です。彼等についてはまた追々お話させて頂きたいと思います。




[了]

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