NFL、メジャーカレッジにおける二刀流について

2014年9月23日
ここ最近で「二刀流」と言えば、北海道日本ハムファイターズでプレーしている大谷翔平選手の事を思い出される方が多いのではないでしょうか。160km/hを投げてしまうとは本当にぶったまげました。
投打の両方でコンスタントに活躍するプロ野球選手なんて『侍ジャイアンツ』の番場蛮くらいしか思い浮かばなかったのですが…
さて本題に戻りまして、「二刀流」選手は野球だけの専売特許だけでなく現代フットボール、しかもメジャーカレッジやNFL等の高いレベルにおいてもちらほら見られます。今回はその中でも著名な選手達を紹介させて頂きたいと思います。

オークランド・レイダース DB チャールズ・ウッドソン

一番手は、いまだ現役バリバリの現オークランド・レイダースDBチャールズ・ウッドソン。先日の開幕戦でも素晴らしいパス守備を披露してくれましたね。NFLに入った後は流石にDB専任を通していますが、ミシガン大ウルヴァリンズ時代はWRとしてもプレーし、その攻守での活躍を評価されて守備選手唯一のハイズマン受賞選手となりました。

Source:Charles Woodson tribute on YouTube.com

 

カロライナ・パンサーズ WR クリス・ギャンブル

お次のカロライナ・パンサーズではDB専任でプレーしたクリス・ギャンブルですが、オハイオ州立大バッカイズ時代はDBだけでなく、WRやリターナーとしても大活躍してチームを全米王座へと導きました。こちらの動画はフィールド外でも色んな事に貢献出来ますよーというパロディ動画です。

Source:Chris Gamble Two Way Threat on YouTube.com

 

この人を抜きに語れません。 ディオン・サンダース

そして、NFLに多大なインパクトを残した大御所「プライムタイム」「ネオン・ディオン」ことDBディオン・サンダース抜きにこの企画を語る事は出来ません。この人はNFLに入ってからもWRとしてプレーする無茶ぶりを発揮し、WR時用に別のヘルメットも用意させたという逸話も残っています。こちらは有名な第30回スーパーボウルでのパスキャッチのシーンになります。

Source:DEION CATCH SUPERBOWL XXX on YouTube.com

 

さらにオールドファンならば御存知の方も多いと思いますが、ディオンの「二刀流」ぶりはフットボールにとどまらず野球の方でも如何なく発揮されました。同じ週にホームランを打ちリターンTDを決めたり、ワールドシリーズとスーパーボウル両方のチャンピオンリングを所有する唯一のアスリートとして広く知られています。
こちらはニューヨーク・ヤンキース時代にランニングホーマーを決めたシーンです。ちなみに捕球し損ねた外野手が、フットボールと野球の元祖「二刀流」ボー・ジャクソンであるのも何だか因縁めいていますよね。

ニューイングランド・ペイトリオッツに二人。WR ジュリアン・エデルマンとマット・スレーター

そしてつい最近まで「二刀流」していた選手が、ニューイングランド・ペイトリオッツに二人、今もなお在籍しております。
一人目は、ウェス・ウェルカーが去った後の穴を埋めるべく奮起しているWRジュリアン・エデルマン。今やブレイディ様のフェイバリット・ターゲットに成長してきました。リターナーやキックカバーなどのスペシャリストに留まらず、ロスターの陣容がピンチな時期にDBとしての起用もされました。
さらに付け加えるとケント州立大時代にはQBを務め、そこそこ良いパスを放っていたようです。まだNFLでは彼のフリーフリッカーを見た事がないので、そろそろ披露されるかも知れません。

Source: Edelman Kent State Highlights Part 2 on YouTube.com

 

もう一人の「二刀流」も、本職はWRのマット・スレーター。何とスペシャルチームの選手として三年連続プロボウルに選出されています。彼もエデルマン同様にリターナーやキックカバーだけでなく、時折DBとしても起用される事がありました。ちなみに父上は、ロサンゼルス・ラムズ(当時)で長年活躍した殿堂入り名OTジャッキー・スレーターであります。
そもそもペイトリオッツのビル・ベリチックHCは、どんなにスーパースターでもスペシャルチームで使えない選手は忌避するそうなので、彼等が長くロスターに残っているのはそのポリシーの表れなのでしょうね。

フィラデルフィア・イーグルス WR ブラッド・スミス

そして最後に、現フィラデルフィア・イーグルスWRブラッド・スミスも、ミズーリ大タイガース時代はチームの歴史にその名を残すような名QBでした。NCAAでもパスとランの記録を塗り替えた学生時代の活躍と、その多才さを爆発させていたニューヨーク・ジェッツ時代のハイライトをどうぞ。先発QBが欠場した際、下手なバックアップQBに任せるよりも安定感たっぷりのような気が…

Source: Mizzou Legends Brad Smith on YouTube.com

Source: Brad Smith highlights on YouTube.com

 

わが国において「和製NFL選手を誕生させるためにはどうすれば良いか?」という命題の解答を出せずかなりの時間が経過していますが、そこで今回取り上げた「二刀流」が突破口のひとつになるのではないかなーと僕は思います。
例えば、WRとしてキャンプに参加出来たものの、なかなか起用して貰えない日本人選手がいるとします。立て続けにロスターのDBが怪我をしてしまうなどの不測の事態が起こった際に「あっコーチ、僕DBも出来ますよー」の一言を発する事が出来れば…絶望的な状況から抜け出す可能性が僅かながらも生じる事でしょう。
ひとつの事柄を突き詰め貫き通す意志はもちろん大変素晴らしいものでありますが、自分が持つあらゆる可能性を試してみる柔軟性も同じくらい価値があるように感じます。現状に閉塞感が溢れているのであれば、180度と言わないまでも少し角度を変えて取り組んでみると色々面白くなるかも知れませんよ。

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