ハイズマン賞候補⑧ ベイカー・メイフィールドがハイズマン賞候補に浮上!

2015年11月24日

パフォーマンス、素顔、来歴からメイフィールドの魅力に迫る!

BIG 12首位をひた走っていたベイラー大ベアーズを破った事で、オクラホマ大スーナーズ三年生QBベイカー・メイフィールドがハイズマン賞候補としてにわかに注目を浴びています。投げ手としては鉄砲肩のいわゆる"Slinger"タイプ(*)で、機動力を活かしたアドリブ大将っぷりも対戦相手の脅威になっているようです。

メイフィールドのパフォーマンス

まずはSECの雄(といっても最近はヤラレ役での登場頻度が高くなっていますが…)テネシー大ヴォランティアーズとの熱戦を制したメイフィールドのパフォーマンスをどうぞ。
続きまして若干スーナーズ寄りに編集されていますが、先のベイラー大戦のハイライトになります。2:00あたりのドリフト走行や10:45での独り旅など、以前紹介させて頂いたRBサマジェ・ピーラインも相変わらず良い走りっぷりです。

今後のスーナーズのスケジュールですが、昨年連勝を阻まれたTCUことテキサス・クリスチャン大と、例年激しい戦いを繰り広げているご近所ライバルのOSUことオクラホマ州立大との対戦を残すのみとなりました。両方に勝利するとBIG 12のタイトルを手にするのはもちろん、CFPランキング四位以内に入ってプレイオフへ進出する可能性も僅かながら出てくる事になります。

メイフィールドの素顔

21世紀のQBは踊りも必須スキルのようで、メイフィールドはこんな感じでダンスも披露しています。しかもこの投げて走って踊れるQBの素顔は、ヴィンセント・ギャロよろしくモジャ系のイケメン。ここ最近のカレッジフットボールでは、女性人気を集められるQBを先発に指名する潮流があるような…
こんなノリを見るとノーテンキなお調子者に思われるかも知れませんが、彼がスーナーズで先発を掴み取るまでの道程は実に激しいアップダウンの連続でした。

来歴:「人間万事塞翁が馬」を地で行くフォットボール歴

2013年、最初に入学したテキサス工科大でウォークオン(*)からメイフィールドはカレッジフットボールのキャリアをスタートしました。そこで先発予定であったQBの負傷により、何とメイフィールドが開幕先発に抜擢されたのです(ちなみにウォークオンで赤シャツ(**)経験のない一年生QBが開幕先発を務めたのは、BCSカンファレンス(***)では後にも先にもメイフィールドただ一人だけ)。シーズン開幕後も大学記録を塗り替える等の活躍を見せたものの、負傷からの先発降格そしてコーチとの軋轢等を理由にテキサス工科大を一年で去る事になりました。

翌2014年に現在のオクラホマ大に転校する訳ですが、転校が決まるまでボブ・ストゥープスHCと面談を行っていなかったらしく…そのエピソードより、当時のスーナーズがメイフィールドにそれほど期待していた訳ではなかったのがよく分かります。同カンファレンス内での転校のルールにより一年間は試合出場が認められないため、二年生のメイフィールドが2014年の公式戦でスナップを受ける事はありませんでした。

(*)フットボール奨学金の給付を受けていない一般入部生。アメリカの大学は日本に比べて学費が高いので、奨学金がないと相当キツいとの事…

(**)戦力調整や奨学金待ちのために選手登録せず練習生として敢えて「留年」する事。登録選手と区別するために赤い練習ジャージィを着せられるのが由来。

(***)2013年まで施行されていた全米王座決定戦や主要ボウルゲームへ優先的に出場出来るメジャーカンファレンス群の事。昨2014年からプレイオフ制度が導入されたため、この枠組み自体は廃止された。



再び到来した転機は、今年の春に開催されたこちらの紅白戦でした。先発QB候補が数多く挙げられていた中、ここでメイフィールドはコーチ陣にそのパフォーマンスを認めさせ、そして現在に至ります。


どこまで続くか、メイフィールド・ストーリー

昨今の東洋人なんかよりも「人間万事塞翁が馬」を地で行く忍耐強さを持ち合わせながら、人に何と思われようと自分の力を発揮するために何処へでも飛び込んで行く気概には本当に感服させられるばかりです。月並みな「アメリカンドリーム」や「サクセスストーリー」に留まらない、メイフィールドがこれから作り上げる「物語」を引き続き追っていきたいと思います。




【了】

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