2017年シュガーボウル オクラホマ大スーナーズ vs オーバーン大タイガーズ

2017年1月15日
オクラホマ大スーナーズとオーバーン大タイガーズの対戦となった2017年シュガーボウルをお時間のある方はフルで、そうでない方はかい摘まんでどうぞ。

シュガーボウルというと、会場であるルイジアナ・スーパードームの照明が選手のピカピカのヘルメットに当たって天使の輪っかのように見えるのも興趣のひとつ。フットボールを始めて間もない時にこの様子を見て、屋内競技場でのプレーに憧れを抱いたのを懐かしく感じます。

長いCFB史で両校の対戦は、何と意外にも今回が二度目。さらにその初顔合わせは45年前のシュガーボウルでした。確かにFBSが120校以上で構成されているため、天体ショーの周期みたいな組み合わせが出来てもおかしくはないかも知れません。

泣きっ面にスズメバチ? オーバーン大タイガース

BCS全米王座決定戦や近年のプレイオフ一回戦をシュガーボウル(※)が担当していた影響もあってか、何と12年ぶりの出場となったオーバーン大。僕が高校生の頃は当ボウルゲームの常連だった事もあり、スーパードームでその姿を見られるのは何だかしっくりします。

(※)現行ではSEC優勝校が出場権を得るものの、その優勝校がプレイオフに進出する場合はSECで二番目にランキングが高い学校に出場権を委譲。対戦相手は高ランキングの招待校。ただし2018年は再びプレイオフ一回戦の当番。

久々のシュガーボウル帰還にハッスルしたかったオーバーン大ですが、先発QBショーン・ホワイトが骨折により序盤で戦線離脱、さらに泣きっ面にスズメバチで二番手QBも負傷してしまい、ゲーム終盤は三番手で攻撃をドライブせざるを得ない事態に(しかもその三番手がパス獲得距離を最も稼いだという…)。守備の方も流石SEC校だけあって序盤はオクラホマ大攻撃ドライブを停滞させていたものの、前半終了間際にTDを奪われた事をきっかけにハイパワー攻撃のコントロール下に置かれてしまいました。

適材適所で大活躍。オクラホマ大スーナーズ

かたや開幕スタートでつまづいて一時はランク圏外に放り出されたオクラホマ大ですが、所属カンファレンス内での取りこぼしが無かった事が幸いしてBig 12を連覇。招待校としてシュガーボウル出場にこぎ着けました。当ボウルでは無類の強さを誇り、過去6度の出場で敗れたのはBCS全米王座決定戦となった2004年大会のみ。しかも2014年大会ではあのアラバマ大をフルボッコにした位ですからね。

投げて走れて踊れる色男QBベイカー・メイフィールドはこの日も28試投19回成功の296ヤードと2TD獲得と安定したパフォーマンス。スピードスターWRディーディー・ウエストブルックや大型WRマーク・アンドリュースをターゲットに、スーパードームの制空権を完全に掌握しました。最終学年となる2017年シーズンもオクラホマ大で全米王座獲得を目指してプレーする事を既に発表していましたが、このゲーム終了後のお立ち台でも改めて決意表明を。スーナーズのファンにとっては頼もしい限りです。

エースRBサマージェ・ピーラインが2017年NFLドラフトにエントリーする事で来シーズンその両脚に期待がかかる二年生RBジョー・ミクソンは、このゲームでもランとパスキャッチ両方で獲得距離リーダーとなる「プレイメイカー」ぶりをいかんなく発揮。ゴール目前で自軍のブロッカーがオーバーン大の守備選手にガッツリ刺し込まれているにも関わらず、鋭いカットでボールをエンドゾーンに運んでしまったのにはホント驚きました。そんな素晴らしいパフォーマンスを披露する反面、私生活では暴行事件などを起こしてしまう精神的拙さが見られるため、チームの大黒柱であったピーラインの後継者として人間的成長を遂げる事が今後の課題かも知れません。

有終の美。オクラホマ大スーナーズ、サマージェ・ピーラインの学生ラストゲーム。

このゲーム最大のハイライトと言えば、そのサマージェ・ピーラインがハイズマン受賞者である大先輩ビリー・シムズの保持していたオクラホマ大ラン通算獲得距離の記録を破った事に尽きると思います。現役NFLトップRBの先輩である、APことあのエイドリアン・ピーターソンよりはるかに走った訳ですからね。一年生の頃から注目していたピーラインが学生最後のゲームを終えてしまう事には、個人的にも非常に感慨深いものがあります。モーリス・ジョーンズ=ドリューとジェローム・ベティスを足して二で割った、タフなプレイスタイルはプロでも必ず通用するはず。NFLに行っても達者でやって欲しいと切に願うばかりです。


Source:Ultimate Samaje Perine Highlights | HD on YouTube.com

 

 

[了]

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