ファンタジスタQBの共演となったローズボウル。(2017年1月2日開催)

2017年1月11日
ファンタジスタQBの競演は、大会史上に残る熾烈な撃ち合いとなりました。

NFLの最終節が元旦に開催された関係で2017年は1月2日にずれ込んだローズボウルは、ペンステイトことペンシルヴァニア州立大ニタニーライオンズとUSCこと南カリフォルニア大トロージャンズによる久々の「ローズボウルらしい」対戦に。編集版なんてケチくさい事を言わず、フルゲームでどうぞ。

ジェイムズ・フランクリンHCが育て上げたペンシルヴァニア州立大の闘士

伝説的な存在である故ジョー・パターノHC退陣のきっかけとなったスキャンダルの後遺症から中々抜け出せていなかったペンステイトですが、何となく"The Rock"ことドゥエイン・ジョンソンっぽいジェイムズ・フランクリンHCの下で見事再生を果たしました。入場ラッシュの様子を見ても、選手達を勇猛な「闘士」に育て上げた事がよく分かります。

ペンステイト注目の選手は何と言ってもQBトレイス・マクソーリー。イヴァン・マーシャルとアドリー・ジャクソン擁するUSCの強力DB陣に億せず、特大のパスをバンバン通しまくりました。それほど大きくない身体と対照的なスケールのデカいプレー、そして負けん気の強そうな風貌はこれから人気が出そうです。

マクソーリーをサポートするのは、タックルを弾き返すトルクだけでなくハードルジャンプで飛び越える俊敏さも持ち合わせたRBセイクオン・バークリー、かつてダラス・カウボーイズで活躍したジェイ・ノヴァチェックを彷彿させるシュアハンドの長身TEマイク・ゲーシッキ。この両名の活躍も輝いていました。

開幕戦の惨敗から息を吹き返したトロージャンズ

開幕戦で大横綱アラバマ大にフルボッコにされてしまい「今年もイマイチか…」という雰囲気だったUSCをローズボウル出場まで盛り返した原動力は、シーズン途中で先発に抜擢された一年生QBサム・ダーノルド。際どい所にパスをねじ込む剛腕っぷりを見ると、プロフットボール殿堂入りのブレット・ファーヴを思い出さずにはいられません。「お前ホントに19才かよ…」と言いたくなる貫禄たっぷりの弁当箱みたいな四角い面構えも頼もしい限りです。

そのダーノルドの弾丸パスを受けるのはWRジュジュ・スミス=シュスター。フィジカルの高い選手で、同じくローズボウルで大活躍した大先輩キーショーン・ジョンソン以来の逸材といっても過言ではないでしょう。ちなみにキーショーンのジュニアは高校生WRで、ネブラスカ大から勧誘を受けているとの事です。

ローズボウルならではの情緒。

ローズボウルというと前半は日中ながら、ハーフタイムの日没を挟んで後半はナイトゲームとなる「表情」に情緒を感じます。これがローズボウルのブランド力を随一のものにして、後半に怒涛のキャッチアップ劇が生まれる要因となっているのかも知れません。まさに名古屋のトップフード、ひつまぶしのように段階を経ながら堪能出来るボウルゲームであります。



[了]



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