2017年CFB注目QB vol.3 オクラホマ大スーナーズ ベイカー・メイフィールド

2017年9月25日
2017年シーズンCFB(カレッジフットボール)注目QB(クォーターバック)の「イケメン」枠代表かつ目下ハイズマン賞の最有力候補であるのが、以前にも取り上げさせて頂いた事があるオクラホマ大スーナーズ四年生のベイカー・メイフィールド。まずは2016年シーズンの好プレイ集で復習をどうぞ。

2017年NFLドラフトにエントリー出来る権利を行使せず「四年生のシーズンもオクラホマ大に残って全米王座を目指します!」とオーバーン大とのシュガーボウル勝利後に高らかと宣言した姿にはシビれましたが、年明けからのメイフィールドの状況は厄年ではないかと感じさせるくらい踏んだり蹴ったりのものでした。

まずは、2017年の二月に酔っ払って深夜徘徊していた所を警察官の職務質問から逃れようとしてお縄になってしまうという失策を。守備選手のタックルをいとも簡単に切ってしまうメイフィールドを、ノーパッドにも関わらず一撃で倒してしまうアメリカのお巡りさんって凄いですね…しかし、これだけの警察官に囲まれてしまったら逆に怯えてしまうのも無理はないような気がします。シアトル・シーホークスDE(ディフェンシブエンド)マイケル・ベネットがボクシング観戦の帰りに無実の罪で警察官に取り押さえられた件も、このような感じだったのかも知れませんね。

さらに「泣きっ面に蜂」で、長らくオクラホマ大を率いていた名将の誉れ高いボブ・ストゥープスHC(ヘッドコーチ)が健康上の理由で突如の辞任を表明。選手層に関してもスーナーズ攻撃の中軸だったサマージェ・ピーラインとジョー・ミクソンの両RB(ランニングバック)に恋女房だったWR(ワイドレシーバー)ディーディー・ウエストブルックがこぞってNFLに進み、また一からチームを再構築しなければならない現実をメイフィールドは突きつけられる事になります。

こちらの春季紅白戦での彼の様子を見ても精彩を欠いている感は否めず、こりゃあ今年はシンドいかなぁ…というのが正直なトコロでした。

ところが蓋を開けてみると、2017年シーズン開幕からメイフィールドはエンジン全開の絶好調っぷりを披露してくれています。第一週の格下であるテキサス大エルパソ校戦は危なげなくサラッとかわし、鬼門となった第二週の全米ランキング2位(第一週終了後時点)オハイオ州立大戦においても35回試投27回成功の386ヤードに3TD獲得というハイパーなパフォーマンス。昨シーズンの序盤で同大に完敗してしまった雪辱を見事果たしました。こちらのハイライトから、このゲームにおけるメイフィールドの「インテンシティ(集中力)」の高さをヒシヒシと感じ取る事が出来ます。

このゲーム終了後に少し物議を醸し出したのが、会場であったオハイオ州立大のホームフィールドのド真ん中にメイフィールドがオクラホマ大の旗を突き立てた件。翌日メディアで「かなり感情的になって申し訳ありませんでした」と謝罪を表明しましたが、バタバタした年明けからこの大一番の勝利までの道程を考えると、彼の中でこみあげるモノがあったのは理解出来なくもありません。ちょっとした行き過ぎと反省を繰り返して成長するのが若者「らしさ」であり、彼等の有する「特権」ではないでしょうか。こんな感じで、小さくまとまらずメイフィールドにはスケールのデカい選手になって欲しいものです。

奨学金無しの境遇から、現在CFBでプレイしているQBで最多勝を誇る選手にまで昇り詰めたベイカー・メイフィールド。是非とも全米王座獲得で最終学年を飾って頂きたいのですが、QBにとって「地獄へのパスポート」になりうるハイズマン賞だけは受賞しない事も切に願っております。





[了]

同じカテゴリーの記事一覧

ページのトップへ戻る