2017年コットンボウル 西ミシガン大ブロンコス vs ウィスコンシン大バジャーズ

2017年2月13日
2017年の新年六大ボウル最後の紹介となるのは、レギュラーシーズン無敗の躍進を見せた西ミシガン大ブロンコスとBig Tenの古豪ウィスコンシン大バジャーズによるコットンボウルであります。最後まで目の離せない好ゲームをフルでどうぞ。

ウィスコンシン大の見どころ。

ウィスコンシン大の看板と言えば、レギュラーシーズンでBig Ten上位校にもなかなか得点を許さなかった超強力守備。かつてサイドラインで指揮を執っていたバリー・アルヴァレス体育局長の構築した伝統が復活してきました。同大出身でヒューストン・テキサンズDEのJ.J.が実兄であるOLBのT.J. ワット、Big Ten全体の学業優秀選手にも選出されている金城武風イケメンSレオ・ムッソ等、地の果てまでもパシュートして激しく刺し込むタフな選手が揃っています。

マディソンの高橋英樹ことポール・クリストHC統べる攻撃についても、RBコーリー・クレメントのランとTEトロイ・フーマガーリへのパスを軸とする組み立ては同大のパワーフットボールのカラーを継承。特にフーマガーリは大器の予感がする選手で、カバーしてくるLBやDBを外側から強引に抜き去ってシュアな補球を見せるなど、ニューイングランド・ペイトリオッツTEロブ・グロンコウスキーのプレイスタイルに通じるものがあります。

西ミシガン大躍進の原動力。 P.J.フレックHC

現行のランク付けシステムが始まって以来初めて全米25位以内入りした西ミシガン大ですが、この快挙はP.J. フレックHCの手腕に依る所が大きいように思われます。このゲームの後半でもクォータータイム時に選手より先に移動位置まで猛ダッシュする等、元NFL選手だったバイタリティそのままをサイドラインで披露。コーチというよりキャプテンのような統率スタイルは、新しいコーチングの方向性を示してくれるのかも知れません。

サムアップ&スマイルで選手やスタッフだけでなく多くの人を魅了するフレックHCですが、調べれば調べるほど興味深い事が次から次へと溢れ出てくるので、また別の機会に詳しく紹介させて頂きたいと思います。

Source:WMU FOOTBALL on SPORTSCENTER 10 11 16 on YouTube.com

 

 

ウィスコンシン大学の注目選手 T.J. ワット

続いて目玉となる2選手の紹介を。

ウィスコンシン大からは、やはりT.J. ワット。こちらの動画でも分かるように、OTの外側からのエッジラッシュだけでなくILBの位置からのブリッツもかなり力強いです。突破力がある兄のJ.J.を将棋の角行と例えるならば、T.J.は角行が成った竜馬の器用さも有している感じでしょうか。

FBのキックアウトを予測して一歩踏み込みギャップを詰めたり(これが出来ないエッジラッシャーが最近多いのですが…)、オプションプレイやブーツレッグにおいて背後にいる自軍の選手の動きを把握してQBにアクションしているのを自ら説明している所を見ると、戦術理解度とその遂行能力の高さもご理解頂けると思います。

頭蓋骨のデカさから推測するとヒットが強そうですし、加えてなかなかの男前であるため、ひょっとすると実力・人気ともにJ.J.を越える存在になるかも知れませんね。

Source:Expert Film Session: TJ Watt on YouTube.com

 

 

西ミシガン大学の注目選手 WRコーリー・デイヴィス

西ミシガン大からは何と言ってもWRコーリー・デイヴィス。ズバリ彼は「本物」です。サイズに頼る事のない柔らかな身のこなしと「手」と「目」の良さは、NFLでも間違いなく成功するでしょう。 各世代を代表する名WRの系譜をジェリー・ライス、ランディ・モス、メガトロンことカルヴィン・ジョンソンと定義するならば、次に続くのは恐らく彼になるのではないかとニラんでいます。

大学の専攻も特別支援教育というのもポイントが高いです。メガトロンもジョージア工科大でボリヴィアの衛生環境を改善するトイレの開発に従事していた事から、ホスピタリティとパフォーマンスは比例するのかも知れません。

他の新年六大ボウルや全米王座決定戦と比べてしまうと地味な印象の2017年コットンボウルでしたが、これからのニュースターを先取りチェック出来る点ではかなり見応えのあるボウルゲームと言って良いと思います。



[了]


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