2016年FBS開幕週の最注目カード 南カリフォルニア大トロージャンズ vs アラバマ大クリムゾンタイド

2016年9月7日
2016年FBS開幕週で最も注目を集めたのはこちらのUSCこと南カリフォルニア大トロージャンズと王者アラバマ大クリムゾンタイドの対決ですが、結果として全米のお茶の間にアラバマ大の「横綱」っぷりを知らしめる事になりました。

南カリフォルニア大トロージャンズ vs アラバマ大クリムゾンタイド ゲームの見どころ

チームの規則を破った選手を遠征先のテキサスから帰宅させざるを得なかったり、試合中にも倒れているアラバマ大の選手の大切なトコロをストンピングして退場処分を喰らう選手を出してしまう等、USCの精神的拙さが最終的な大差を生んでしまった要素のひとつに思います。

一方のアラバマ大に関しては、一年生QB二人で回す攻撃のおぼつかなさを守備が補って有り余る働きを見せてくれました。特にDB陣の刺し込みの鋭さは相も変わらずであります。何といってもタレント力以上に、最後までプレーをやり切っている点で「横綱」のメンタルを殆どの選手が持ち合わせているように感じました。もはやカレッジフットボール界の双葉山と言っても良いでしょう。

その他の見所としては…

①AT&Tスタジアム名物のフィールド上空に設置された巨大スクリーンに目がいってしまうため、サイドラインにいる選手達が眼前のプレーそっちのけで上ばかり見ている滑稽な風景が終始見られる事。

②USCの攻撃コーディネーターが、1998年シーズンに全米制覇を成し遂げたテネシー大で先発QBを務めたティー・マーティンである事。時の流れは早いものです…

③昨年に続きアラバマ大の攻撃コーディネーターは、かつてUSCのHCを務めシーズン途中で更迭されたレイン・キフィン。当然メディアも「御礼参り」的な取り上げ方を…

④試合が終わった後、こちらはアルコール依存疑惑で昨シーズン途中にUSCのHC職を解かれたスティーヴ・サーキジアン(飲酒喫煙はもちろんコーヒーも禁じられているブリガムヤング大出身というネタのような経歴の持ち主)をアラバマ大が攻撃アナリストとして雇い入れる事を発表。サーキジアンはHC在任中(ワシントン大とUSC)に毎年1000ヤード以上獲得するRBを輩出した実績の持ち主。ワケありでも優秀な人材を片っ端から登用する様は、まさに『三国志』に登場する魏の国そのもの。さしずめニック・セイバンHCは曹操でしょうか…

Source:USC vs Alabama football 2016 / NCAAF 2016 on YouTube.com

 

 

なかなか時間を確保するのは難しいと思いますが、フットボールの現場に関わる皆さんには接戦でなくともフルゲームを観て頂けると幸いです。チームが勢いに乗る、あるいはその逆に失速してしまう切っ掛けや流れを学ぶ最良の教材になるかと思います。

貴方のチームが今度のゲームにて、ここでのアラバマ大にも、そしてUSCのどちらにもなりうる事は十分考えられますからね。



[了]


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