米国フットボール・ヒエラルキー

2015年6月30日
こちらはNCAAディヴィジョンⅠの下位カテゴリーであるFCS(つまり実質二部)の2015年シーズン「全米王座」決定戦となった、ノースダコタ州立大バイソンとイリノイ州立大レッドバーズの熱戦となります。

相当見応えのあるゲームなので、お時間のある方はフルで、お忙しい方でも第4Q(1:38:00頃よりスタート)の攻防はフルでどうか御覧下さい。

フットボールに関してNCAAディヴィジョンⅠは、ボウルゲームへの出場権があるFBS(128校)とそうでないFCS(125校)にカテゴリー分けがなされています。大相撲で言えば、幕内と十両の区分けに近い感覚でしょうか…

我々がメディアでよく見かけたり日本国内でもグッズが流通している所謂メジャーカレッジと呼ばれる大学は、もちろんFBS所属の方になります。

提供出来る奨学金のシステムでカテゴリー分けがなされている訳ですが、いちおう同じディヴィジョンⅠという事もありシーズン序盤ではFBS校とFCS校の「交流戦」が多く組まれています。FBS校のウォームアップ相手のような位置付けになりがちですが、FCS校が大番狂わせを演じる事も度々あるのでその実力はなかなか侮れません。


こちらはFCS所属の南イリノイ大でプレーしていた、あるRBのハイライト動画になります。

Source:Steve Strother #28 RS/RB on YouTube.com

 

 

DR.FOOTBALL編集長がGFL(ドイツのセミプロリーグ)でプレーしていた時のチームメイトでもありますが、チームに所属する全てのRBを凌駕する「異次元」の実力を認めざるを得なかった…と編集長もしみじみ語っていました。

そんな彼もCFLに行った経験があるそうですが、わざわざドイツまで来ざるを得なかったという事から、北米大陸のプロリーグで選手として定着するハードルがいかに高いか御理解頂けるかと思います。

アメリカでのフットボール選手達が形成する分厚いミルフィーユのようなヒエラルキーは、下手をすると古代インドに端を発するカースト制度よりもシビアかも知れませんね…

7月から母国アメリカにてフットボールの世界選手権が開催されます。アメリカ代表チームは、今まで紹介させて頂いたディヴィジョンⅢからFBSまでの全てのカテゴリーから選抜された選手で構成されるそうです。

日本とアメリカの経年ごとのフットボール業界の成長率を比較してみると、二次曲線的に差が広がっている様な気がします。大袈裟かも知れませんが、日本が4倍成長する一方でアメリカは4の2乗で16倍成長しているという感じで…

「がんばれニッポン!大和魂で神風を吹かせ!」とは決して言いません。日本代表の皆さんには、現在発揮出来るものを全部「帝王」にぶつけて貰えると幸いに思います。

そしてこの大会をどの様な成績で終えたとしても、日本のフットボールに関わる全ての人達が「このままではイカン」と感じる契機になれば「大成功」と言っても良いのではないでしょうか。





【了】

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