カナディアンフットボールリーグ 2018年シーズン開幕!

2018年6月27日
サッカーW杯の話題で持ち切りの昨今ですが、どんなビッグニュースに際してもデイリースポーツが阪神タイガースの記事を一面にするが如く、Dr.FOOTBALLも「フットボール愛」を貫いて参りますので何卒よろしくお願い致します。

先日、カナダのプロフットボールリーグであるCFLの2018年シーズンが開幕しました。9チームが11月末に開催される決勝戦であるグレイカップを目指して、レギュラーシーズン18試合を戦います。今回は開幕週のゲームハイライトをもとに各チームの紹介をざっくりとさせて頂きますので、お付き合いの程を。


エドモントン・エスキモーズ vs ウィニペグ・ブルーボマーズ

決してグリーンベイ・パッカーズの海賊版チームでは無い事を最初に断っておきますが、黄色いヘルメットのエスキモーズは先発QBマイク・ライリーによるパス攻撃を軸に3年前のグレイカップを制した強豪です。このゲームでは土俵際に追い詰められながらも「横綱フットボール」によるうっちゃりを披露しています。

対するワシントン大ハスキーズのパクリ…もといトリビュートな感じのユニフォームである、ブルーボマーズの注目選手はLBアダム・ビッグヒル。彼は昨2017年シーズンにおいてニューオリンズ・セインツのロスターに入っていました。180cm足らずの小兵ですが、NFLでのプレイ経験があるだけに良い動きをしています。


トロント・アルゴノーツ vs サスカチュワン・ラフライダース

昨2017シーズンのグレイカップ覇者がこちらのアルゴノーツ。テネシー・タイタンズが今年からヘルメットを紺に変えてユニフォームを寄せてきたという「逆」トリビュート現象が見られました。このチームは、かつてシカゴ・ベアーズで指揮を執っていたマーク・トレストマンがHCを務めています。加えて、エースRBのジェイムズ・ワイルダー・Jr.はスピードにアジリティそしてサイズの三拍子揃ったパンチのある選手です。

緑のヘルメットのラフライダースは、かねてよりNFL経験選手の獲得に積極的なチームであります。かつてクリーヴランド・ブラウンズ等でプレイしたトレント・リチャードソンが現在ロスター入りしており、不慮の事故で亡くなったジョー・マクナイトやプロ復帰を目指したヴィンス・ヤング(シーズン前に解雇)もこのチームに在籍していました。


ハミルトン・タイガーキャッツ vs カルガリー・スタンピーダーズ

NFLファンにとって馴染み深いように思われるのがタイガーキャッツ。先日紹介させて頂いたジョニー・マンゼルは無事ロスター入りを果たしました。エースWRルーク・タスカーは、あのバッファロー・ビルズで活躍したスペシャルチーマーのスティーヴ氏の御子息。コーチ陣についても、それぞれアトランタ・ファルコンズを率いた経験のあるジューン・ジョーンズHCとジェリー・グランヴィル守備コーディネーターという豪勢な顔ぶれであります。

一方のスタンピーダーズの看板選手は、この2年連続でグレイカップ出場にチームを導いたライフルアームQBボー・リーヴァイ・ミッチェル。しかし以前からゴールライン上にそびえ立つポストにボールが当たるんじゃないかと心配していましたが、このゲームでは「キンッ」という感じでヒットするシーン(その時点でパス失敗)が見られます。


ブリティッシュコロンビア・ライオンズ vs モントリオール・アルエッツ

「ブリティッシュコロンビア」が長いので「BC」での表記が一般的なライオンズ。筆者がCFLに興味を持ち始めたきっかけになったのは、こちらのライオンズが出場した2011年のグレイカップになります。その時のグレイカップMVPにも選ばれた先発QBトラヴィス・ルーレイが看板選手ですが、残念ながら今シーズンは開幕戦に間に合わなかったようです。

「アルエット」はフランス語で「雲雀(ひばり)」を意味するとの事ですが、英語にすれば「スカイラーク」。筆者にとって非常に親しみを感じるニックネームであります。アルエッツのHCは、かつてブレット・ファーヴ在籍時のグリーンベイ・パッカーズを率いたマイク・シャーマン。こちらも豪勢なコーチ人事ですね。


サスカチュワン・ラフライダーズ vs オタワ・レッドブラックス

9チームで構成されている事より毎週バイウィークのチームが出てきてしまうため、レッドブラックスは第2週が緒戦となりました。創設して間もないチームでありますが、一昨年前のグレイカップを制覇して今や強豪に数えられる存在に。CFLにおいてペイトン・マニング的な存在であったQBヘンリー・バリスを引退で喪失してしまいましたが、リーグ随一のWRユニットは健在で高い攻撃力を維持しています。


フットボールの上にフットボールを作らず…

CFL選手のスキルの高さは以前から認識していましたが、近年では各ポジションの疾走感や質量感もアップしているような気がします。さらにCFL選手を観た後にNFL選手に目を移すと、いかに彼等が「バケモノ」であるかという事、そしてCFL選手のレベルに至っていない日本人選手にとってNFLまでの道のりが果てしなく険しいものである事を再認識させてくれるでしょう。そういった点でも、CFLに注目する意義はあるはずです。

まだまだ筆者自身もCFLについてルールや運営、戦術、ロスター、歴史など学んでいる最中でありますが、アメリカ本国のフットボールに劣らぬ面白さがある事は間違いありません。NFLやカレッジフットボールの開幕まで待てないというフットボール依存症の皆さん、CFLは応急処置以上の効能をもたらしてくれると思いますよ。

「フットボールの上にフットボールを作らず、フットボールの下にフットボールを作らず」のポリシーの下、引き続きDr.FOOTBALLはCFLもカバーして参ります。


[了]

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