2017年NFLドラフト青田買い情報14 – タイトエンド特集

2017年4月28日
2017年ドラフト候補生のポジションまとめて紹介シリーズ、今回は何気に豊作の予感をさせるTE(タイトエンド)です。以前紹介させて頂いたアラバマ大のO.J. ハワードに続く選手達についてお話させて頂きたいと思います。

1. 「マイアミ大名TEの系譜を継ぐ男」デイヴィッド・ジョークー - マイアミ大ハリケーンズ

まずはマイアミ大ハリケーンズのデイヴィッド・ジョークー。長い手足を活かしたスケールの大きいプレイは守備にとって脅威以外の何物でもありません。NFLの現役選手に例えると、カンザスシティ・チーフスの赤グロンコことトラヴィス・ケルシーに近いタイプでしょうか。短いパスをキャッチした後に、タックルを切りまくってロングゲインするスタイルが似ているような気がします。

ジェレミー・ショッキーやグレッグ・オルセンによるマイアミ大出身の名TEの系譜を、彼は間違いなく受け継ぐ事になるでしょう。

指名推奨度:◎


Source:Miami Tight End David Njoku Highlights ᴴᴰ on YouTube.com

 

 

 

2.「スピード派TE」 エヴァン・イングラム - ミシシッピ大レベルズ

次はOle Missことミシシッピ大レベルズのエヴァン・イングラム。彼の最大の武器は、NFLスカウティング・コンバインの40ヤード走で4秒42を叩き出す程の卓越したスピードです。前回紹介したRB(ランニングバック)の候補生達は4秒50前後で集まっていた事から彼がいかに快足であるかを御理解頂けると思います。

ネックとして挙げられるのは、身長191cmに体重98kgとNFLのTEとしては若干物足りないサイズ感。その昔ロッド・バーンスタインという選手がTEからRBに転向してNFLで活躍した事もあったので、思い切ってRBにコンバートするのも面白いかも知れません。

指名推奨度:○

3.「本来の大本命」 ジェイク・ブット - ミシガン大ウルヴァリンズ

本来ならばTEの候補生で筆頭に挙げたかったのが、こちらのミシガン大ウルヴァリンズのジェイク・ブット。2015年と2016年の両シーズンでオールアメリカンの一軍に選出されたエリートプレイヤーで、ルート取りやキャッチの上手さを見るとカロライナ・パンサーズの大黒柱グレッグ・オルセンを彷彿させてくれます。

おまけに甘いマスクでミシガン大の女子学生達を虜にしてしまうなど完全無欠の選手…だったのですが、2016年末のフロリダ州立大とのオレンジボウルにて何とACL(膝前十字靭帯)を断裂してしまう負傷に見舞われてしまいました。

現段階で即戦力となるのは難しい状態なので、彼の回復を忍耐強く待てるチームが指名する事を願うばかりであります。

指名推奨度:○

4.「いぶし銀の仕事人」 コール・ヒクチニ - ルイヴィル大カーディナルズ

2016年ハイズマン賞をかっさらった「スーパースター」ことラマー・ジャクソンの「恋女房」であったのが、こちらのルイヴィル大カーディナルズのコール・ヒクチニ。ジャクソンが守備選手に追っかけ回されている時は、かなりの確率で彼がパスのターゲットとなっていました。

かつてのNFL選手で例えると、ニューオリンズ・セインツでいぶし銀の活躍を見せた「必殺仕事人」デイヴィッド・トーマスのようなタイプでしょうか。テキサス大時代にヴィンス・ヤングというアスレチックQB(クォーターバック)と共にプレイし、HB(ハーフバック)のポジションもこなせる器用さを持ち合わせている所などの共通点がありますからね。

指名推奨度:○

Source:Cole Hikutini 2016 Senior Highlights (HD) on YouTube.com

 

 

 

5.「あの活躍が忘れられない…」 スコット・オンドーフ - ピッツバーグ大パンサーズ

冬の鍋物には欠かせないような苗字であるピッツバーグ大パンサーズのスコット・オンドーフですが、全体的な注目度は低くドラフト指名は微妙な所というのが専門筋の見方のようです。ハイライトを探しても、この2015年シーズンの短いものしか見つかりませんでしたからね…

個人的に2016年レギュラーシーズンにおいて全米王者クレムソン大に土をつけた時の大車輪の活躍が忘れられず、ここにリストアップさせて頂きました。ヒクチニ同様に器用な選手でHBとしての起用も期待出来るため、多彩な隊形を採用するチームならば獲得して損はないように思います。

指名推奨度:○

Source:Scott Orndoff 2015 Highlights on YouTube.com

 

 

 

6.「TE職人」 バッキー・ホッジス - ヴァージニア工科大ホーキーズ

恐らくDr.FOOTBALLでは初めてかも知れないヴァージニア工科大ホーキーズからの紹介となる、バッキー・ホッジスもNFLスカウトから好評価を受けています。

守備選手と密着した時のリリースやキャッチが上手く、スペースが限定されるレッドゾーン攻撃においてその真価を発揮する選手です。NFL選手で例えるならば、かつてニューヨーク・ジェッツで職人的な活躍したダスティン・ケラーに近いタイプでしょうか。

かなりの余談ですが、先日現役引退を表明した偉大な卒業生マイケル・ヴィックの背番号7をホッジスが身につけているのを見て、ヴァージニア工科大では永久欠番になっていなかった事を初めて知りました…

指名推奨度:○

7.「数値で測れない期待感」 ジョーダン・レゲット - クレムソン大タイガーズ

TE紹介の殿(しんがり)を務めるのは、こちらのクレムソン大タイガーズのジョーダン・レゲットになります。

サイズとキャッチのスキルで勝負するバスケットボール系スタイルの選手で、NFLで言うならばアントニオ・ゲイツ(ロサンゼルス・チャージャーズ)やジェフ・グラハム(シアトル・シーホークス)に近いタイプでしょうか。何と言ってもプレッシャー下での「集中力」はピカイチで、2017年1月のCFP王者決定戦での決勝ドライブは彼のミラクルキャッチが無ければ成功していなかったように思います。常にプレッシャーのかかるプロの舞台では、こういった「芯」の強さは身体能力に勝る武器になりますからね。

同大の攻撃におけるデショーン・ワトソンとマイク・ウィリアムズの二大スターの陰に隠れてはいるものの、数値で測れない能力をNFLスカウトの皆さんに評価して頂きたいものです。

指名推奨度:◎

スプレッド攻撃が全盛となった影響でTEというポジションがアムールタイガーばりにフットボール界で絶滅危惧種となりかけましたが、近年のラン攻撃のリバイバルによりRB(ランニングバック)と共に再評価されるようになりました。やっぱりTEがいると、フットボールの攻撃に「彩り」が出て面白くなるように思います。

ここで紹介させて頂いた選手達が、NFLチームでも中核として活躍する事を期待していきましょう。



[了]




同じカテゴリーの記事一覧

ページのトップへ戻る