ドリュー・ブリーズ特集

2017年6月27日
NFL2016年シーズンにて通算パス獲得距離5208ヤード（野球でいうとシーズン250本安打くらい）にパサーレイテイング101.7（予備校の偏差値でいうと70台後半くらい）という驚異的な数字を叩き出したのは、2017年シーズンを38歳で迎えるニューオリンズ・セインツ不動の先発QBドリュー・ブリーズであります。

今回はそのブリーズの規格外の凄さにたまげて頂きたいと思いますが、まずはこちらの2016年シーズンのハイライトをどうぞ。

ドリュー・ブリーズ　2016年ハイライト / 2013年プレキャンプ

Source:Drew Brees || “Hall of fame” || 2016 Highlights on YouTube.com

 

 

しかし、カバー２守備でのSとCBの間に出来る隙間へ実に絶妙なボールを落としています。ボールの軌道が低すぎるとCBに｢ごっつあん｣されてしまい高すぎるとSにかっさらわれてしまうので、投げる方としては加減が難しいパスなんですよね。

ブリーズがセインツにもたらしたのは記録だけでなく、若手レシーバーの成長を促した事も特筆すべきだと思います。スピードはあるものの若干サイズ足らずのWRブランディン・クックス、NFLに入りたてで右も左も分からなかったWRマイケル・トーマス、インディアナポリス・コルツで伸び悩んでいたTEコービー・フリーナー等、2016年シーズン開始当初は決してタレントに恵まれているとは言い難かったユニットですが、見事に全員が花を咲かせてくれました。

こちらはキャンプインする前の自主的なセッションの模様になります。チームに関係なく色々な選手が参加しており、サンフランシスコ・49ersやタンパベイ・バッカニアーズで活躍したジェフ・ガルシアの姿も懐かしいですね。ここ最近、この動画を起床時と就寝前の一日二回服用…もとい視聴しております。

Source:NFL Players Pre-Camp Workout 2013 on YouTube.com

 

 

BGMのせいかも知れませんが、とにかくテンポが良いです。ここに登場する選手全員がさながら機械のように自分の動きを完遂させています。皆さんのパスユニットの練習において絶好の教材になるのではないでしょうか。
一般的に言われるようにボールを｢投げ込む｣意識をしてしまうと、身体が突っ込んでしまってフットボール的に支障をきたす事（守備のプレッシャーがキツい時に投げられない等）が多々あります。それゆえボールにがっつり回転をかけてポイントへ｢落とす｣イメージの方がより実戦的に感じますが、ブリーズはそのスキルを完璧に体現しているように思います。


バラエティ企画とドリュー・ブリーズ

さらにブリーズによるボールコントロールの妙を御覧下さい。こちらはNFL全32チームのヘルメットを模したオブジェにボールを当てる企画になります。

スポーツ番組のお色気パーソナリティであるケイティ・ノーランが傍にいても、集中力を欠く事なく確実にボールを｢デリバリー｣させているのは流石です。

Source:Drew Brees Throws Footballs at Giant Helmets on YouTube.com

 

 

お次はセインツのQB陣による的当てチャレンジの総集編をどうぞ。概ね成功してしまうせいか、ブリーズが外した時の若手の喜びっぷりもひとしおです。

Source:Best of Drew Brees QB Challenges on YouTube.com

 

 

Dr.FOOTBALLでは久々の登場となりますが、あのトリックショット集団『デュード・パーフェクト』も満を持してブリーズをイジりにやって参りました。

たくさんのテイクがあったとは思いますが、これだけの芸当を成功させてしまうのは凄いの一言に尽きます。それにしても、NFLの小堺一機ことセインツHCショーン・ペイトンは実に芸達者な方ですね。

Source:Drew Brees Edition | Dude Perfect on YouTube.com

 

 

ドリュー・ブリーズ　活躍の秘訣

優れたソフトウェアはしっかりしたハードウェアがあってこそ初めて活きるもので、以上のような芸当もブリーズ自体の肉体の強靭さがあって実現しているのかも知れません。

こちらは専門誌にも紹介されたブリーズのトレーニングの模様です。スーパーボウルを制覇した頃のもので、元チームメイトだったLTことラディニアン・トムリンソンと駆け出しの頃のアーロン・ロジャースの姿も見られます。普段からマウスピースをつけているように見える軍曹風のこちらの方の指導の下でハードなメニューに取り組んでおり、ブリーズの背中が｢五角形｣に見えるのも何だか納得出来ますね。

サンディエゴ（当時）・チャージャーズ時代に利き肩を手術して選手生命の危機に面したブリーズですが、セインツに移籍してから健康な状態で長年プレイし続けている事と日頃のハードワークの因果関係は確実にあるように思われます。

Source:Real Workouts: Drew Brees on YouTube.com

 

 

セインツのゲーム前の呼び物といえば、ブリーズが熱い激を飛ばすハドル。日々の生活にエネルギーが足りないと感じられる方は、こちらの動画でどうか喝を入れて下さい。最近はブリーズと他の選手の歳が離れてきたので、部活動の引率の先生が生徒達に囲まれている感じに見えなくもないような…

Source:Best of Drew Brees Pregame Huddles on YouTube.com

 

 

183cmというNFLのQBからすると｢チビ｣の部類に入るブリーズがフィールド上でこれほど｢でっかい｣プレイを披露出来ているのは、確立された技術、強靭な肉体、熱い闘争心、周囲を巻き込む表現力（TV出演の前は入念に髪型をチェックしているという話も）…これらの要素を高いレベルで発揮するように日頃努めているからであります。

2017年シーズンにおけるブリーズのさらなる活躍を期待するとともに、日本国内でQBをプレイしている諸兄にも彼の｢五角形｣の背中を見て精進して頂けると幸いに思います。



［了］

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