2016ドラフト 期待ハズレか…⁉︎ デフォレスト・バックナー

2016年5月24日
ドラフトで上位指名されればその後は安泰…といかないのが、歴戦の「修羅」達が集まる世界であるNFL。今年デビューするピカピカのルーキー達からも例外なく、期待ハズレ="bust"の烙印を押されて静かにキャリアを終えてしまう選手が現れる事でしょう。

NFLで苦戦する…!? オレゴン大ダックスDEデフォレスト・バックナー

サンフランシスコ・49ersに一巡指名されたオレゴン大ダックスDEデフォレスト・バックナーも前評判の高い選手ですが、個人的にはプロでかなり苦戦するのではないかと感じています。

まずは好プレーを集めたバックナーのハイライトをどうぞ。最初の入場シーンでチアリーダーの女性と比べて分かるように、2mを越す巨体が際立つ選手であります。


Source:Deforest Buckner Highlights (2015-16) || HD on YouTube.com

 

 

こちらは、2015年シーズンのミシガン州立大スパルタンズ戦におけるバックナーのプレーを編集した動画です。このシリーズはナイスなプレーだけでなくイマイチな所も見られるので、有望株達の「目利き」でかなり参考にさせて頂いています。

バックナーがこのゲームでよくマッチアップしていたのが、テネシー・タイタンズから一巡指名を受けたOTジャック・コンクリン(74番の選手)。名前からして固そうな彼に、バックナーはランとパスのどちらも終始圧倒されている事がよく分かります。

確かにコンクリンは押し相撲で無類の強さ誇るファイターでありますが、まだプロ未経験のいわば「幕下付出」に過ぎません。そしてNFLにもなれば「三役」そして「横綱」クラスとの取組が待っています。カレッジのトップ選手とのワン・オン・ワンで勝負出来ていないと、何だか心配になってしまいますよね…

デフォレスト・バックナーが大成しないという根拠

次はバックナーのアジリティに関してですが、まずはこちらの動画をどうぞ。同ポジションでいの一番にサンディエゴ・チャージャーズから指名された、オハイオ州立大バッカイズDEジョーイ・ボサのスカウティング・コンバインにおけるパフォーマンスであります。

父上もマイアミ・ドルフィンズでプレーしていた血統書付きで、彼は間違いなくチャージャーズの「顔」となる選手になるでしょう。

Joey Bosa (Ohio State, DE) | 2016 NFL Combine Highlights

※リクエストにより埋め込み不可のため、直接YouTubeにてご確認ください。

 

 

次はバックナーのスカウティング・コンバインでの動きを御覧下さい。

DeForest Buckner (Oregon, DL) | 2016 NFL Combine Highlights

※リクエストにより埋め込み不可のため、直接YouTubeにてご確認ください。

 

 

ボサと比較して、「あれれ?何か違うな…」と感じられた方も少なくないかも知れません。その感じられた違いとは、動きの切り返しの所で顕著に見られたのではないでしょうか。

擬音ばかりで恐縮ですが、ボサが「ピタッ!」と止まって「バチン!」と鋭角に次の動作へ移っているのに対し、バックナーはというと「フワフワ」っと緩くストップして「よっこらせ」っと丸く動いているような印象を受けます。

僕自身が経験してきたものと現在チームメートが受けている個別のトレーニング指導はメソッド自体が異なるものの、「ピタッと止まれ」「フワフワするな」というフレーズが共通して聞かれるのは大変興味深いです。

ある動作中からイレギュラーなタイミングで静止して、スムーズに新たな動作へ移行する技術-こればフットボールに限らず、フィールド競技全般で肝になるといっても過言ではないでしょう。

巷でよく見られる、膂力(りょりょく)やスプリント能力の高さが実際のプレーに反映されないケースでは、この技術が未成熟という所にまずはスポットを当てるべきなのかも知れません。

みんな推進力を上げるようなトレーニングは好んで行いますが(身体つきも見て分かるくらい変わりますし)、一方で深~く沈めるスクワットや地味~な股関節系のトレーニングは後回しになりがちですからね…

これまでのキャリアでバックナーは体格差を活かしてプレーし、何とか上手くいってしまった所に落とし穴があるように思われます。今後のプロ生活を明るいものにするためにも、見てくれなどではない真の「肉体改造」をバックナーには敢行して頂きたいものです。



[了]

同じカテゴリーの記事一覧

ページのトップへ戻る