2016年ドラフト特集 ラクオン・トレッドウェル(ミネソタ・ヴァイキングス)

2016年7月25日
2016年のNFLドラフトでWRとしては四番目の指名を受けたOle Missことミシシッピ大レベルズのラクオン・トレッドウェルですが、入団先であるミネソタ・ヴァイキングスのミニキャンプにて奮闘している事がこちらでうかがえます。

やはりヘルメット搭載カメラからの映像は、フットボールに馴染みの薄い方に興味を持って頂ける最高のツールのひとつであると常に感じさせられますね。

Source:Laquon Treadwell Helmet Cam + Wired For Sound on YouTube.com

 

 

NFLで活躍するためにラクオン・トレッドウェルに課せられる命題。

ラクオンに関しては、先日現役引退を表明したメガトロンことカルヴィン・ジョンソンやダラス・カウボーイズのデズ・ブライアントに続く大型ワイドアウトと期待する声が大きいようです。

プレーぶりを拝見した個人的な意見としては、自身の恵まれた体格に若干頼り過ぎているような印象を受けました。

高い所にボールが放られてキャッチこそすれ実際はCBにリリース負けを喫していたり、カットを踏んだ後の走るコースが丸まっている等、ルートランニングの技術がまだまだ発展途上という事がこちらの動画でも確認出来ます。

ダレル・リーヴィス、パトリック・ピーターソン、アキブ・タリブ等に代表されるNFLのシャットダウンCBとカレッジレベルの同ポジションでは、富士山と高尾山くらいのレベルの差があるといっても過言ではないでしょう。これらの猛者達とマッチアップするためにも、ルートランニングの技術を磨く事がラクオンに課せられる命題であるように思います。

ラクオン・トレッドウェル カレッジハイライト&2016ドラフトプロフィール
Laquon Treadwell College Highlights & 2016 Draft Profile | NFL

 

 

メガトロンことカルヴィン・ジョンソンのジョージア工科大学時代

それでは偉大なNFLの先輩であるメガトロンの学生時代はというと、こちらの動画でその凄さを実感頂けると思います。

メガトロンがスペシャルな存在たりうるのは、2m近いデカい身体にも関わらず180cmに満たないチビッ子レシーバーと同じ動きが出来る所にあるような気がします。母校のジョージア工科大に留まらず、所属カンファレンスであるACCの歴史にも名前を刻み込んでいるのも納得出来ますよね。

デトロイト・ライオンズはメガトロンをドラフト指名する前に、チャールズ・ロジャース(ミシガン州立大)とマイク・ウィリアムズ(南カリフォルニア大)の大型ワイドアウトを隔年で一巡指名していました。カレッジではバケモノ的に活躍した二人ですが、プロ入り後は鳴かず飛ばずですぐにライオンズから去ってしまう事になります。

まさにメガトロンの指名は三度目の正直でした。裏を返すと、三人トップ指名すれば一人はNFLの歴史に名を残す選手に成長すると言えなくもないような…
将来性あるWRの見極めがいかに難しい事であるか、このケースが我々に示してくれるのではないでしょうか。

デズ・ブライアント オクラホマ州立大学時代

お次は、今やダラス・カウボーイズの看板選手であるデズのオクラホマ州立大カウボーイズ時代のハイライトをどうぞ。

元々デズは「手」の方がイマイチで、「技術」でスマートにボールを収めるというより「根性」でボールを掴みにいくスタイルは今も昔も変わらないようです。

その一方でCBにタイトカバーされていても一瞬にして引き離してしまうリリース技術の高さは、デズが他の選手と一線を画すポイントとして真っ先に挙げられると思います。また、パントリターナーを務めていただけにキャッチ後の動きが素早く、攻撃のダウン更新にもかなり貢献してきました。

NFLデビュー当初は決定的な場面でのドロップ(落球)が多くて「ディス」られていたデズですが(かくいう僕自身もキャッチボールしていたトレーニング仲間がドロップした時に「はい、デズったー」と茶化していましたし…)、「手」よりも「足」を磨き続けた事で現在の地位を築き上げたのは大変興味深く感じます。

ラクオンの同期、ジョシュ・ドクトソン(テキサス・クリスチャン大ホーンドフロッグス)

さて次は、ラクオンと同期となる選手に注目してみましょう。WR全体としては三番目でワシントン・レッドスキンズからドラフト一巡指名された、TCUことテキサス・クリスチャン大ホーンドフロッグスのジョシュ・ドクトソンの紹介ビデオをどうぞ。

ジョシュ・ドクトソン カレッジハイライト&2016ドラフトプロフィール
Josh Doctson College Highlights & 2016 Draft Profile | NFL

 

 

「手」の良さもさる事ながら、何と言ってもリリースの巧みさが出色です。NFL選手のタイプで言うと、ピッツバーグ・スティーラーズやニューヨーク・ジャイアンツで活躍したプラクシコ・バレスに近い感じでしょうか。

デショーン・ジャクソンとピエール・ガーソンの両ベテランから学ぶ機会も得られるため、今シーズンよりレッドスキンズを牽引する存在になり得ると個人的にはニラんでいます。

ラクオンへの期待度

ラクオンに話を戻したいと思います。こちらは、ヴァイキングスのチームメイトがラクオンの購入した新車にスナック菓子を何万袋と詰め込むというスケールのデカい「洗礼」の模様になります。

こうやってイジられるという事は、チームからの期待の大きさも同時に想像出来るかと思います。それに応えるのは勿論、ドラフト会場に同伴していた小さい娘さんのためにも、ラクオンにはこの厳しい世界を生き抜く術(=リリースの技術)を着実に身につけて頂きたいものです。



[了]

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