NFL先発QBにおけるミシガン州立大スパルタンズ卒業生の奮闘③ ブライアン・ホイヤー(クリーヴランド・ブラウンズ)

2014年10月19日
ミシガン州立大スパルタンズ卒業生特集の最終回は、クリーヴランド・ブラウンズQBブライアン・ホイヤーについてお話させて頂きたいと思います。

ブライアン・ホイヤーの険しい道のり

前回までの二人が先発QBの負傷による交代であったのとは対照的に、ホイヤーはシーズン開幕前より先発の指名を受けていました。しかし、これまで最も険しい道のりを歩んできたのは彼なのかも知れません。

まずは学生時代より、大差がついたイリノイ大ファイティングイライナイ戦にて途中出場した時の動画をどうぞ。最初はおっかなびっくりな感じで初々しさ満点ですが、キチンとパスを通しているのは流石ですね。

Source:Brian Hoyer at Ilinois 2005 on YouTube.com

 

 

先発だったドリュー・スタントンの卒業後、それなりに活躍してNFLスカウティングコンバインにも招待されましたが、結局ドラフト指名されずFAルーキーとしてニューイングランド・ペイトリオッツに加入しました。こちらはその時の紹介ビデオになります。

Source:Brian Hoyer Video Profile 2010 on YouTube.com

 

ここで暫く、天下のトム・ブレイディのバックアップを務めます。ブレイディ様とのキャチボールの模様をどうぞ。
ホイヤー、ほとんど見切れていますね…

今度はフィールドでパスを決めたシーンを二つほど。以前お話させて頂いたQBの分類でいうと、腕の長さを活かした"launcher"タイプ(※1)のように感じます。
我慢強く3年間ロスターにとどまった後、2012年開幕前にペイトリオッツから無念の放出。その11月にQBの負傷者が続出したピッツバーグ・スティーラーズと契約を交わすものの、負傷者が復帰するやいなや3週間足らずで解雇されてしまいました。

その直後に、QBの選手層が崩壊していたアリゾナ・カーディナルスと契約。先輩であるドリュー・スタントンの契約と入れ替わるように、翌2013年の春先に解雇されるまで在籍しました。

再び職探しを強いられたホイヤーに手を差し伸べたのは、現所属のクリーヴランド・ブラウンズ。先発ブランドン・ウィーデンの負傷欠場時、チームにシーズン初勝利をもたらす活躍が認められて先発を任される事に。やっと太陽のあたる場所に出られると思った矢先、その出来事は起こりました。

先発3試合目で膝の前十字靱帯、いわゆるACLを断裂してしまい、ホイヤーは負傷者リストに入ったままそのシーズンを終える事になります。

2013年シーズンの終了直後、翌2014年からマイク・ペティンがHCを務める事に決定。それに伴いロスター内にいるQBのリストラが断行されました。先発であったウィーデンも例外でなくその対象となりましたが、なんとホイヤーのみ残留を許されたのです。

やれやれと思いきや、またまたエラい試練が待ち構えていました。皆さんご存知の「ジョニー・フットボール」ことハイズマン受賞者ジョニー・マンゼルを、ブラウンズはドラフト指名しました。こちらはOTA(春季の全体練習)での先発争いの模様になります。

Source:Browns QB competition the talk of OTAs on YouTube.com

 

 

その競争の結果、開幕直前にペティンHCはホイヤーの先発指名を発表。シーズン開幕から第6週まででチームは勝ち越し、敗戦に関しても接戦の内容でかなりの健闘ぶりがうかがえます。

こちらは熱烈なファンと思しき方が作った『ブライアン・ホイヤーのバラード』。歌が上手いかどうかは別として、ホイヤーの歩みを振り返ってみると何だか心に染みてきます。

Source:The Ballad of Brian Hoyer on YouTube.com

 

このスパルタンズ出身の苦労人が、かつてプレイオフの常連だった古豪の救世主となるかも知れません。かくいう僕も、強いブラウンズをもう一度見たいと思っているひとりであります。

現在のミシガン州立大スパルタンズ攻撃を率いる三年生QB コナー・クックにも注目

そして卒業生だけでなく、現在のスパルタンズ攻撃を率いる三年生QBコナー・クックにも是非注目して頂きたいと思います。

先輩方と同様に浮ついた感じはないけれども、芯の強さが垣間見える良い表情をしていますね。
こちらは3ステップのドロップバックのレクチャー動画です。
そして、今シーズンのジャクソンヴィル州立大ゲームコックス(フロリダ州ではなくアラバマ州が所在地との事)戦でのパフォーマンスをどうぞ。序盤にエグいヒットを受けてもフィールドに戻ってプレーするタフさは、まさにスパルタンそのもの。技術的にも昨シーズンに比べて格段の進歩を見せているので、二年連続BIG TEN制覇も夢ではないかも知れません。
どうやら、質実剛健なスパルタンズの系譜はしたたかに受け継がれているようです。今後も彼等OBと現役の健闘を見守っていきたいと思います。

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